経営課題をITで解決する ITコーディネータ
小林 真也 (こばやし しんや)
Profile
1974 年長崎県生まれ。岡山大学大学院農学研究科修了。農林水産省動物検疫所へ入省。悪性伝染病から畜産業を守るべく、成田国際空港での輸出入検疫業務に従事。その後、動物検疫システムの開発プロジェクトへシステム利用者として参画。専門スクールで技術や実務経験を習得後、ネットワンシステムズへ入社。岡山県を中心に自治体、大学、病院、公共機関などITインフラ構築・提案・基本設計(コンサル)に約 10 年間従事。2021 年、岡山県津山市の外郭団体である「つやま産業支援セン ター」にて地域企業のIT支援に着任。コロナ禍での接触制限もある中、108社の企業訪問だけでなく、デジタル化へのきっかけとなる伴走支援7社、津山市内IT企業 14 社からなる「つやまICTコネクト」とのマッチングを5件成立させる。この取組みは地元の新聞記事、経済産業省及び情報処理推進機構(IPA)が選定する津山市DX推進ラボ、中小機構みらデジに取り上げられ大きな反響を得る。従業員数 20 名、売上高2億円規模の中小企業では、カン・コツ・経験が必要な属人業務が多く、どこから・どのようにデジタル化を進めればよいのか見通せない経営者が多い。IT活用度合いや課題ヒアリング行い、お金をかけずにまたは少額でできるお試しITツールを開発。「定常業務の簡素化」はもちろん、誰に何を販売したかを情報蓄積しマーケティング施策に活かす「販売管理システム」、光センサーや温度センサーでモニタリングし、閾値を超えると通知する「モニタリング&通知機能」を開発。また生産現場の稼動状況、原材料高騰に伴う製品別原価率を把握する「分析システム」も開発。これまで 20 個以上のお試し IT ツールを開発し好評を博す。 売上のリアルな数字が把握できていない企業や、離職率が高く人材が定着しない企業、人手が足りず兼務をする人が多い中小企業経営者から頼りにされている。デジタル化へ舵をきった企業からは「業務改善がはかれた」「若い従業員も働きやすい環境になった」「顧客サービス品質の向上につながった」と喜びの声多数。「雑用はITに任せよ!」という理念のもと、IT化で生まれたゆとり時間を使って、新しいビジネス創出に時間が使えるよう課題解決に力を注いでいる。2024 年 3 月、つやま産業支援センターを退職し独立。行政、岡山大学、岡山理科大学などの学術機関、信用金庫や商工会議所、地元企業とのマッチングなど専門家につなげられる豊富な人脈も持つ。活気ある地元企業同志がつながり、そこに子どもたちが集う場を創ることで、中小企業へスポットライトを当てている。子どもたちが成長しても地元にとどまり、地元企業を選ぶような地域創生のため日夜奮闘している。