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BOOK REVIEW書評

『弱者の戦略』(稲垣栄洋著/新潮社)vol.283

こんにちは、

本日の一冊は

『弱者の戦略』(稲垣栄洋著/新潮社)です。

 

『弱者の戦略』(稲垣栄洋著/新潮社)

 

パイオニアプランツ、です。





なかなかですね、

風呂場にまで持ち込んで

すぐ読み切りたい!





という本って少ないです。





でもこの本は、

湯船につかりながら

読みましたね。





すさまじい集中力を

風呂場で見せた、芝蘭です。





この本は、

戦略論とかを語るコンサルタントや講師たちの

エピソードの宝庫ですよ!





生物界にみるいわば、

生存するための「おきて」が書いてあります。





だから、これはまさしく

「戦略論」なのです。





「生き残ることができなければ、それは強さとは言えないのだ」





という著者は農学博士です。





もっというなら、

「雑草生態学」が専門です!





ビジネスの現場において間違いがちな

この指摘もすごいです。



↓ ↓ ↓

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ニッチとは、「場所」を表す言葉ではなく、

その「状態」を表す言葉である。

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よくニッチ戦略とか言いますけど、

「場所」のことをさすわけではない!





これを理解していないと

大間違いをやってしまいますね。





つまりおのずと

何を受け入れなければならないか?

がわかります。





その道の「パイオニア」を自負する人は、

心して読んでください。

 

 

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『弱者の戦略』(稲垣栄洋著/新潮社)

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http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4106037521/withup-22/ref=nosim





生物にとって「強さ」とは何か?

それはするどいキバやとがったツメを持つことではない。

生き残ることができなければ、それは強さとは言えないのだ。



意外なことに、昆虫界でもっとも強いとされているのは、アリである。



「強い者は単純に。弱い者は複雑に」これは勝負の鉄則なのである。



敵から逃れるためには、敵の存在をいち早く察知しなければならない。

弱者にとっては、敵の情報を得ることがもっとも大切なのである。



天敵やライバルのいる場所や時間を避けて強者のいない

場所や時間を選ぶという戦略もある。つまり「ずらす」という戦略である。



「ずらす」という戦略こそ、弱者の戦略の神髄である。



ウマの仲間のシマウマは、草の先端を食べる。次にウシの仲間のヌーは、

その人の草の茎や葉を食べる。そして、シカの仲間のトムソンガゼルは

地面に近い背丈の低い部分を食べている。こうしてサバンナの草食動物も、

食べる部分をずらして、棲み分けているのである。



オンリー1というのは個性のことではない。

その個性を最大限に活かしてナンバー1になることのできる

「ポジション」のことなのである。



そしてナンバー1の条件は「誰にも負けない」ことではなく、

「誰にもできない」ことなのである。



もともとあった自然が破壊された環境に、最初に生える植物は

植物学では「パイオニアプランツ(先駆種)」と呼ばれている。

つまりは「開拓者」なのである。



(略)それが強者に真似のできないパイオニアの生き方である。

まさに挑戦し続けることを宿命づけられているのだ。



パイオニアの例に見るように、

ニッチとは、場所を表す言葉ではなく、その状態を表す言葉である。



rN(1-N/K)



増加率を優先する選択がr戦略、

生存率を優先する選択がK戦略と呼ばれている。



西洋の諺にこんな一説がある。

「一番強い者は、自分の弱さを忘れない者だ」





参照:

『弱者の戦略』(稲垣栄洋著/新潮社)
<Amazonで購入>

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4106037521/withup-22/ref=nosim

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というわけで、

 

▼「共感・意外性・感動」の法則を解き明かす!

┌───────────────────────────────────┐

├○

├○   宿命から逃げず、受けて立とう。

├○

└───────────────────────────────────┘





この本を読んでいて、

ひとつ思い出したことがあります。





『渋滞学』(西成活裕著)の本を

過去のメルマガでも取り上げました。





Vol.50 競うから逃げられない!?2方向避難の原則。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4106035707/withup-22/ref=nosim





これも新潮社でした。





装丁の半分緑色がやけに印象的で、

ふと記憶からよみがえりました。





いろんな記憶がつながっていく、

というのも私の中では

よい本の条件かもしれません。

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