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BOOK REVIEW書評

『ガウディの伝言』外尾悦郎著 vol.99

こんにちは、

本日の一冊は

『ガウディの伝言』外尾悦郎著です。

 

『ガウディの伝言』外尾悦郎著

 

 

未完成、です。

 

 

未だ完成していない建築物、
バルセロナにあるサグラダ・ファミリア。

サグラダ・ファミリアに対する二大質問は、

「いつ完成するんですか?」
「なぜ、図面が残っていないのに作り続けられるんですか?」

だそうです。

贖罪聖堂の彫刻を担当し、同聖堂の専任彫刻家が
日本人だったとは知りませんでした。

「外尾、これを修復できるか?」

ガウディの直弟子でさえ50年間そこに
足を踏み入れたことのなかった「ロザリオの間」。

そこに案内され、
それを託されたときの気持ちはいかばかりか。

導かれるようにスペインに渡り、
ガウディのメッセージを読み解くことを
まかされた男といっても言い過ぎではないと思います。

必死にガウディのメッセージを読み取り、
そこに彫るべき表情を考え抜いた著者の心境。

まるでドラマのように、ひとつひとつの文字が
私に迫ってきました!

とくに、
・若者と少女に彫らなければならなかった表情
・親子のペリカン像が近くからは見えないようにできているのか

このエピソードに、
私はちょっとやられてしまいました。

 

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『ガウディの伝言』(外尾悦郎著/光文社)

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教会というのは、本来の目的から言えば「神の家」であり、
また、サグラダ・ファミリアは信者たちにとって「石の聖書」です。

ガウディがもっとも情熱を傾けて実現を夢見ていた
大きな構想の一つが、サグラダ・ファミリアを
楽器にするということです。

ものをつくる人間をダメにする確実な方法は、全体を考えさせず、
細かい作業をひたすら義務としてやらせることです。

サグラダ・ファミリアは、真上から見ると、塔や柱の配置が
ラテン十字を描くように構成されています。

サグラダ・ファミリアでもっとも重要な基準数値になっていたのは、
七・五メートルと一七・五メートルです。
その比例数を縦糸、キリスト教の聖数である一二を一つの完結と
考える一二進法的なシステム(と一〇進法的なシステム)を横糸として、
一見複雑なサグラダ・ファミリア全体のプロポーションが、
ほとんど決定されています。

ガウディは逆さ吊り実験により、ゴシック建築の弱点を克服しました。

経験豊かな石工ほど、石と戦うのではなく、
石に従わなければ良いものはできない
ということを熟知しているものです。

私は原寸大に引き伸ばした二体の像の写真を
自宅と仕事場に貼り、何日も考え続けました。
彼らの心の内に宿っているのは、怒りか、悲しみか、
不安か、期待か、畏れか―。

ガウディが考えた彫刻の多くは、見る人に考えさせるものです。
結論を押しつけるのではなく、どちらにも転び得る瞬間を
表現することで、見る人の心の中にいる天使と悪魔を招喚させる。

ロザリオの間に限らず、ガウディがデザインした天使には
基本的に羽がありません。

また、幸せというのは、現在どれだけのものを
持っているかということより、未来にどれだけの希望を持って
いるかということにかかっているのではないでしょうか。

サグラダ・ファミリアは、じつは二〇二〇年代の完成を
目指すと公言しています。

できあがった作品だけを見ると、どうしても形や色ばかりに
注目が集まりますが、大きなものをつくる上で本当に苦労する
のは、いかに人の力を借りるかということです。

参照:
『ガウディの伝言』(外尾悦郎著/光文社)
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というわけで、

 

●「共感・意外性・感動」の法則を解き明かす!
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形なんて、まぼろし。

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いろんなモノをこの目で見たい!
とは思いつつも、

私は何かを見たときに、作り手のメッセージを
感じ取ることができるだろうか?

と考えてしまいました。

私は昔からサスペンス的なものが
好きだったのですが、もしかしたら、
メッセージを読み解く旅
みたいなものが好きなのかもしれません^^

 

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