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BOOK REVIEW書評

『未来のスケッチ 経営で大切なことは旭山動物園にぜんぶある 』遠藤功著 vol.66

こんにちは、

本日の一冊は、

『未来のスケッチ 経営で大切なことは旭山動物園にぜんぶある 』

遠藤功著 です。

 

『未来のスケッチ 経営で大切なことは旭山動物園にぜんぶある 』遠藤功著

 

 

行動展示です。

 

 

いまあるリソースを活かしながら
新しい価値を産み出す。

これは本当に尊敬ものです。

「行動展示」という方法で
一躍有名になった北海道の旭山動物園。

何度も見たくなるイノベーションこそ
この「行動展示」がカギを握っています。

◎分類学的提示
◎地理学的展示
◎生態的展示

という今までの分け方では、
わかりやすいですが
イノベーションとまではいえません。

・現場で何が起こっていたのか?
・どのように切り口を発見するか?
・それをどう価値づけしていくのか?

この本には各方面に活かせる
コンテンツとの向き合い方が描かれています。

現場にいかに宝物が眠っているのか、
またそれをつぶさずに救いあげるしくみが
存在しているかどうか。

現場の「熱」は、誰にもとめられないのです。

組織論であり、リソース論です。

 

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『未来のスケッチ 経営で大切なことは旭山動物園にぜんぶある 』(遠藤功著/あさ出版)

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http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4860633822/withup-22/ref=nosim

来園者に新鮮な驚きを与え、さらに何度も見たくなる行動展示こそ、
旭山動物園が生み出したイノベーションなのです。

組織力を誇るトヨタでも、新しい価値創造の起点は常に個人です。

十四枚に貫かれているのは、
「動物のすごさ、美しさ、尊さを
ありのままに伝えたい」という共通の「信念」です。

「信念」は「体験」を通じてこそ本物になります。
「体験」に裏付けられていない「信念」は、
単に言葉だけが上滑りをしている状態です。

小菅前園長は著者にこう書いています。
「動物は本当に堂々と死んでいきます。『じゃあな』といって
去っていくのです」(『旭山動物園園長が語る 命のメッセージ』)

たとえばオランウータンのガイドをするときは、
「熱帯のジャングルに住み、握力が非常に強く・・・」
といった杓子定規な説明をするのではなく、
「モモはとても甘えん坊なんですよ」と紹介します。

経営とは「価値創造」です。

動物のすごさをわかりやすく伝えるために、
動物の行動にスポットを当ててガイドする。
「ワンポイントガイド」こそが、行動展示の「原型」といえます。

つまり差別化のもとをたどれば、「信念」に行きつくのです。

動物園の世界では、動物が楽しく快適に過ごせる環境づくりを
「環境エンリッチメント」と呼んでいます。

さる山の展示ガラスには、一日一回~三回、ハチミツが塗られます。
夏は十五分ほどでなめ終わってしまいますが、
冬場はハチミツが凍るため、なめ終わるまでに一時間近く要します。

「ソフト」の詰まっていない「ハード」はただの箱

旭山動物園では、「スター」動物ではなく、一頭一頭を
大切にしてファンづくりを展開してきたのです。

動物たちは、自分に与えられた運命を受け入れつつ、
最期の一瞬まで自分らしく精一杯生き、
そして淡々と死んでいきます。

参照:
『未来のスケッチ 経営で大切なことは旭山動物園にぜんぶある 』(遠藤功著/あさ出版)

<Amazonで購入>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4860633822/withup-22/ref=nosim
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というわけで、

 

●「共感・意外性・感動」の法則を解き明かす!
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スターは、要らない。

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チンパンジーを担当している方の話が
とても面白かったです。

自分が作ったおもちゃには全然反応しないのに、
たままた掃除用のデッキブラシを忘れたら
それでおもしろそうに遊んでいた、と。

なんでもそうですけれど、
イノベーションなんて大それたことではなく
本当にすぐそこに転がっているものではないかなと
思ったりしました。

ただ、それに気づく目をもっているかどうか。

「デッキブラシの瞬間」をのがさないよう
アンテナを立てておこうと思います!

 

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