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BOOK REVIEW書評

『職人学』小関智弘著 vol.58

こんにちは、

本日の一冊は、

『職人学』小関智弘著です。

 

『職人学』小関智弘著

 

 

日本の宝、です。

胸が熱くなりました。

ひと言でいえば、
職人版『外資系トップの仕事力』みたいな感じです。

取材と要約力が見事!
なるほど著者自身も旋盤工として50年のキャリアを持ち、
船のピストン部品から宇宙衛星用部品まで
手掛けてきただけのことはあります。

文章がとても力強い。

直木賞候補に二度、芥川賞候補に二度選ばれるなど
小説家でもあるので、さもありなんです。

私はこの本を読んで職人に対する
考え方がひとつだけ変化しました。

超一流の職人が見ている視点とは
いったいどこなのか?

時代の最先端に挑戦する姿に勇気をもらいます。

そしてぜひ、「缶詰の蓋」で世界へとうってでた
「ダブルセーフティ・プルトップ缶製造方法の開発話」
に目を通してみてください。

アメリカ、ドイツ、国内の缶業界も成しえなかった
指を切らずに開けられる安全なプルトップ缶。

文部科学大臣賞を受賞した谷内啓二さんの話は、
ものづくりとは何たるかを示唆しています。

全世界で作られている缶詰の30分の1が
谷山さん方式だそうです。

 

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『職人学』(小関智弘著/講談社)

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技術が進歩すれば技能は要らなくなる、と考えるのは誤りである。
もしもそう考える技術者がいるなら、
それは技術者の奢りである。

広い間口から入っても、その奥行きを極めようと
努力する人だけが職人なのである。

鉄は温度が一度上がると一メートルについて
約十ミクロン(百分の一ミリ)伸びるという性質を
応用した接合法である。

鉄を削る刃物をバイトという。

感性を豊かにすること。それはものづくりをするための
技を身につける第一条件である。
感性を豊かにして仕事をするということは、
素材、つまりものづくりの対象と親しくなる、ということである。

職人は教え下手ではあるが、育て上手でもある。

実際わたしは、何人かのすぐれた職人から、
「自分を超えるような職人を育てられなかったら、
そんな職人はハンチクだ」と教えられた。
ハンチクは、半人前のことである。

機械にも知恵をつけて仕事をしろ。
機械の能力を引き出せ。
いろいろな場面で、工場の職人たちは
「機械にニンベンをつけろ」と言ってきた。

機械を受け身で使わない。
受け身になったら機械の奴隷にされてしまう。

後に世界一のオートバイメーカーとなった
ホンダの出発は、エンジン付き自転車であった。
その試作第一号は、本田宗一郎の奥さんが愛用していた
湯たんぽをガソリンタンクの代用に、ガソリンがないので
松根油を入れたものであった。

必要のないところが光っていないから、
必要なところがそのぶんよけいにひき立って見えるんだ。
生きて立って見えるというのは、そういうことなんだ。

ものを見る目が、人を見る目でもあることを
わたしはこのようにして教えられた。

カマグチが一センチずれたら、枝の倒れ方は一メートルもずれる。

たとえば百円の缶詰なら缶代はせいぜい十五円が限度らしい。
缶代に五十円かけてもいいのなら、
安全にする方法はいくらもあるが、
そうはいかないというハンディがある。

ブラックボックス化してしまわない技術は、
人に優しい技術である。

ものは雄弁である。
いい仕事をしていれば、きっと誰かが見てくれる。

参照:
『職人学』(小関智弘著/講談社)

<Amazonで購入>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062118467/withup-22/ref=nosim
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というわけで、

 

●「共感・意外性・感動」の法則を解き明かす!
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最後の最後までイメージする。

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技術などでは機密事項の案件を
扱うことが多いですから、現場では
用途などを明かされないことも多々あるそうです。

凄いですね。

何に使うか分からないのに、
0.15ミリの工具を作ってくれと頼まれたりする世界。

信じられません。

誰よりも新しい時代へ挑戦している人たち。
熱くならないはずがありません。

私も頑張ろうと思います!

 

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