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BOOK REVIEW書評

『「承認欲求」の呪縛』(太田肇著/新潮社)vol.491

本日の一冊は、『「承認欲求」の呪縛』(太田肇著/新潮社)です。

ハイパー・メリトクラシーです。

いまの時代の根底に
流れているテーマは、
「自己肯定感」でしょう。

大ヒットしている映画や、
ポジティブ、ネガティブの両面で
それを感じる昨今。

なので、
新書でこのテーマについて
読めるのは新鮮でした。

著者は、
20年以上も前から、
「承認欲求」の研究をしている人。

筋金入りですね!

・自己肯定感
・自己効力感
・承認欲求

教育現場のみならず、
組織にいる人にもぜひ目を通して
おいてもらいたい一冊です。

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『「承認欲求」の呪縛』(太田肇著/新潮社)
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「自己効力感」とは環境を
効果的に支配できているという
感覚であり、わかりやすくいえば、
「やればできる」という自信を意味する。

自己効力感、すなわち
「やればできる」という自信を
もたらす最大の要因は成功体験である。

看護師は近年とくに離職率が高く、
病院によってはその抑制が
大きな課題になっている。
そのため、実際に職場で看護師を
ほめる取り組みをしたり、
表彰制度を取り入れたり
している病院が増えている。

いずれにしても偉大な親をもった子は、
承認される機会が乏しいのである。

けれども、ほんとうの悩みは
もっと深いところにある。
叱られようが、眉をひそめられようが、
周りからの反応を得なければ
自分自身を知ることができない。

しかし、効果があるだけに
副作用も大きい。一般にほめるのは
よくて叱るのは危険だと言われるが、
受け止め方によっては叱るより、
むしろほめるほうが危険な場合もある。

叱られたら反発する子も、
ほめられたら否定することが
難しいからだ。

要するに、「期待を裏切ってはいけない」
という意識が心のどこかにあるかぎり、
その不安を取り除こうと意識すれば
するほど、まるでアリ地獄のように
負のスパイラルに陥っていくのである。

要するに、集団のなかで認められたい、
認められなければならないという
意識が悲惨なイジメの被害者と
加害者を生むわけである。

結論を先取りすると、
エリートこそ「承認欲求の呪縛」の
最大の犠牲者であり、
それが転じて加害者にもなる。

いま時代の先端をいく仕事で
求められているのは、勘やひらめき、
直感、感性、ならびにそれらを
結実させる独創性や創造性、
あるいは独特な個性といった
能力・資質である。

なお本田由紀は個性や独創性、
対人能力などを「ポスト近代型能力」
と呼び、どうすれば形成されるか
わからないそれらの能力を求める
「ハイパー・メリトクラシー」化が
進んでいると指摘している。

「承認欲求の呪縛」から逃れるには、
どうすればよいか。これまで
述べてきたように、呪縛は、
「認知された期待」「自己効力感」
「問題の重要性」という
三つの要素によってもたらされる。

仕事の面においても、これからは
いっそう「オンリーワン」を
目指すほうが成功の確率が高くなる。

参照:
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というわけで、

▼「共感・意外性・感動」の法則を解き明かす!
———————————–
「プロ化」がこれからの鍵となる。
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承認欲求の呪縛に
陥っていませんか?

第4章は必見ですね。

自己効力感を高めるためには、
プロ意識を持つことが
いかに大事か!

ということがわかります。

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