『コンテンツの秘密 ぼくがジブリで考えたこと』(川上量生著/NHK出版)vol.417
本日の一冊は、
『コンテンツの秘密 ぼくがジブリで考えたこと』(川上量生著/NHK出版)です。
脳内再現、です。
コンテンツって何?
といきなり問われたら、
言葉につまるかもしれません。
これはドワンゴの創設者である
川上量生氏がスタジオジブリで
見習いとして過ごした中の記録。
本人にとっては、
卒業論文のような
位置づけだそうです。
引用に出てくる「鈴木さん」とは、
スタジオジブリ全作品の
映画プロデューサーを務めている
鈴木敏夫氏のことです。
コンテンツの本質とは何か?
ぜひ読んでみてはいかがでしょうか。
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https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00VVKIBF4/withup- 22/ref=nosim メディアが変わると、元は同じ作品でも
別のコンテンツになるのです。ぼくが考えた結論を紹介すると、
クリエイターとは「ある制限のもとで
なにか表現する人」のことです。
「ある制限」というのがメディアと
紐付いたコンテンツフォーマットであり、
表現したものがコンテンツになるのです。クリエイターとは表現者のことなのです。
「宮さんは見ていて気持ちいい
絵を描く天才だ」と鈴木さんは言います。つまり、誇張という言い方は正確ではなくて、
主観的にはそう見えているんだというわけです。鈴木敏夫さんはつねづね
「映画の品格は美術で決まる」
と言っている人です。そして、似顔絵にしても「らしい動き」
にしても、コンテンツが模倣するのは
現実にあるものではなく、
脳のなかのイメージのほうなのです。
現実よりも脳のなかのイメージに
似せたほうが、人間は似ていると思うのです。(略)「コンテンツの本質とは、
現実世界を特徴だけ単純化して
コピーした脳の中のイメージの再現である」
という結論に行き着きました。より多くのユーザーを対象に
すればするほど、コンテンツの
基本となる特徴より単純で
「分かりやすいこと」が重要となるのです。パターンは消費によって陳腐化していくのです。
つまり、分かりやすい文章というのは、
綺麗なパターンの組み合わせでスーッと
読めてしまい印象に残らないから、
ところどころ読みにくくして、
“引っかかり”をつくらなければ
ならないということです。(略)アーカイズム→クラシック
→マニエリスム→バロックという流れになり、
美術の歴史はこの四つのサイクルの
移り変わりになるというのが高畑さんの説です。
これはコンテンツを考えるうえで、
示唆に富んでいます。マニエリスムとはマンネリズムの語源
となった言葉です。「作品を見るときになにを見ればいいか。
それはつくった人がなにをやろうとしたのか、
それを見ればいい。そして、それが
上手くいったのか、上手くいかなかったのか、
それだけだ」鈴木さんはそう言います。天才とは自分のヴィジョンを表現して
コンテンツをつくるときに、
どんなものが実際にできるのかを
シミュレーションする能力を持っている人である。参照:
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というわけで、
▼「共感・意外性・感動」の法則を解き明かす!
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シミュレーションしているか?
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葛飾北斎が好きな方は
すでにご存知かもしれませんが、
彼の作品の真骨頂は、
定規やコンパスを使った作風に
あるのですね。
人間の「脳のなかにある風景」
を描こうとするとき、
円や図形の比率みたいなものが
あるからだそうです。
やはり天才と呼ばれる人は、
すでに本質に行き着いている!
という気がしてなりません。