『嫉妬の世界史』山内昌之著 vol.60
こんにちは、
本日の一冊は、
『嫉妬の世界史』山内昌之著です。
本の食物連鎖です。
嫉妬されなかった男、
保科正之。
なんとなく名前は聞いたことがある
という人も多いのではないでしょうか。
徳川二代将軍秀忠の子でありながら、
高遠城主保科正光の養子として
育てられた人物です。
さて、『嫉妬の世界史』には
時代や国を超えた男の嫉妬について
様々な人物を通して描かれています。
怖いくらいに。
そして最後の最後で
保科正之という「救い」がある。
男が男に嫉妬するのはどんな時なのか。
なぜ保科正之は嫉妬されなかったのか。
13刷にもなる『嫉妬の世界史』は、
こっそりと読んでいる人が
多いのではないかと思われる新書です。
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『嫉妬の世界史』(山内昌之著/新潮社)<Amazonで購入>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4106100916/withup-22/ref=nosim徳川十五代将軍でありながら鳥羽伏見の戦い
(一八六八)後に家臣を置き去りにして
大阪城を逃げだした徳川慶喜は、
いまの世なら、政治家というよりも評論家が似合いである。器が小さいくせに嫉妬心を丸だしにする
経営者は、いまでも嫌われる。森鴎外ほど、嫉妬に敏感だった男もいないだろう。
鴎外が憎んだのは、あれは小説家だから
陸軍の重職につけられないという中傷である。たとえば、明治初年に洋書の販売を営む
丸善(最初は丸屋)を起こした中村道太は、
横浜正金銀行(東京三菱銀行の前身)の創業者でもある。
(略)
中村は時の参議で伊藤博文らと対立した
大隈重信の強い引きを受けていたために、
明治十四年の政変で大隈が下野すると、
横浜正金からいびり出されてしまった
(「近代日本の異能・偉才 実業家100人」)嫉妬と悪意は手厳しい評判をつくりだす。
優越欲求とは、他人の行動や運命を統制しようとする
権力への欲求、他人から畏敬・賞賛されたい
という地位への欲求を指している。もっとも自分の能力と限界を本当に知る秀才なら、
敵わないと思った天才には滅多に嫉妬しないものだ。
この両者の調和がはかられた時に組織のダイナミズムが
発揮され、人間関係も成功するのである。(徳川三代将軍家光の庶弟・保科)正之は、武力による強さや
金穀の豊かさを誇らず、いまある自分の姿に満足し、
引きまわしてくれた周辺の人びとに感謝の心を
忘れなかった人物である。将軍だけでなく、重役からもねたまれなかった正之は、
天性の素質で組織の何たるかを会得した
稀有の人物といってもよい。時には勇気をもっておのれを語らなくてはならない。
そこには、ごまかしや空虚さや名誉欲が
つけいる余地はない。参照:
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というわけで、
●「共感・意外性・感動」の法則を解き明かす!
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「誇り」と「奢り」をはき違えない。
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知りたいという欲求。
終章を読んで、
保科正之のことをもっと知りたくなりました^^
単純ではありますが、
食物連鎖のごとく循環していく
なにがしかの感覚。
保科正之が現代に生きていれば、
どのような政治を行うのか興味がわきます。
歴史から学ぶことはたくさんあって
とても勉強になります!