『耳で考える』養老孟司・久石譲著 vol.42
こんにちは、
本日の一冊は、
『耳で考える』養老孟司・久石譲著です。
「理屈」ではなく「共鳴」。
ずっと、皮膚感覚というものを
私は大事にしてきました。
なかば悶々としている中、
出会ったのがこの本でした。
『バカの壁』の著者である養老孟司さんと、
アカデミー賞を受賞した『おくりびと』
の映画音楽を担当された久石譲さんの対談です。
言語、建築、音楽、情報という分野に
携わっておられる方は、
非常に共感することが多いのではないかと思います。
正直いって、脳は名曲を欲するという
のは余計なサブタイトルだと思います。
これでは音楽に興味のない人は読まないので、
もったいないですね。
もっと深いことが書かれています。
意識、無意識の領域に迫る世界です。
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『耳で考える』(養老孟司・久石譲/角川書店)<Amazonで購入>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4047102059/withup-22/ref=nosim(養老)
目が耳を理解するためには、
「時間」という概念を得る必要があり、
耳が目を理解するためには、
「空間」という概念をつくらなきゃいけない。
それで「時空」が言葉の基本になった。
言葉というのはそうやって生まれてきたんです。(養老)
そういうふうに言葉で表現しようとすると必ず落ちていく、
絶対に比べようがないものを、哲学では「クオリア」という。(久石)
音楽を構成する要素は、「メロディー」と「ハーモニー」と「リズム」です。
「リズム」というのは刻んでいくわけですから
時間の上に成り立っています。
「ハーモニー」は響きです、その瞬間、瞬間を
輪切りで捉える、いわば空間把握ですね。
では「メロディー」は何か。
時間と空間の中の「記憶装置」なんです。(養老)
意識を失った人が意識を取り戻す時も、最初に耳が回復する。
声が聴こえてきて、次に目が開くんです。(養老)
僕は、人に合わせた触覚の重視のためには「木の文化」
の復権しかないと思っています。(久石)
先ほど脳は視覚にだまされるというお話がありましたけど、
味覚もけっこう脳をだましますよね。(養老)
今の人はレールが敷かれたところ、舗装された道しか歩かないから、
面白いものと出会わないんです。面白いものは舗装道路にはない。(養老)
文章の基本はリズムですよ。読みにくい文章というのは、
根本はリズムが合わないんです。(久石)
音楽も近いところがあります。
いいスコアは綺麗なんですよ、音符の配分が。ぱっと見てわかる。(久石)
リズムの基本は円なんです。指揮者というのは指揮棒を上下に
振り回しているように見えるかもしれませんが、
上下の動きではなくて基本は円です。
だから、指揮の勉強を始める時に最初にやる練習は、
ただただ円を描く練習なんですよ。(養老)
ものを書く、ものをつくるとは、情報化すること。
「情報化の作業」と「情報処理の作業」はまったく違うんですよ。(養老)
根本的に人と人とが理解するのは、理屈じゃなくて「共鳴」ですよ。(養老)
オリジナリティとは、新しい共感を発見すること。参照:
『耳で考える』(養老孟司・久石譲/角川書店)<Amazonで購入>
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というわけで、
●「共感・意外性・感動」の法則を解き明かす!
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「共鳴」はリズム感から生まれる。
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今回は本に線を引いた箇所があまりにも多すぎて、
大幅にカットしなければなりませんでした(涙)
限られた時空の中で表現していくのは
本当に難しいですね。
マレーシアのとある場所のホタルが光り方を同調させる話、
ホイヘンスの振り子時計の話など
興味深いことがたくさん書かれてありました!
皮膚感覚を大切にする重要性が、
とてもよくわかります。