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BOOK REVIEW書評

『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?経営における「アート」と「サイエンス」』(山口周著/光文社)vol.429

本日の一冊は、
『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?経営における「アート」と「サイエンス」』(山口周著/光文社)
です。

『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?経営における「アート」と「サイエンス」』(山口周著/光文社)

 

VUCA、です。

本日の本は、
永久保存版です。

ということで、
昨今出尽くした感のある
「生産性」や「効率化」
のアンチテーゼ!

と言える本でした。

グローバル企業が
どこに舵を切っているのか?

ぜひ本書を
読んでおくことを
おすすめします。

本書にありますが、
グローバル企業がなぜ
「美意識」を
重視しはじめているか?

それを著者は、

~~~~~~~~~~~~~~~~~~
1.論理的情報処理スキルの限界
2.自己実現欲求市場の登場
3.システムの変化に
  ルールが追いつかない世界
~~~~~~~~~~~~~~~~~~

3つの要因で示しています。

たしかに、
AIの問題をはじめ
完全にルールが追いついていない
世の中ですね。

VUCA時代に何を
意思決定の判断材料にするか?

目の覚めるような
示唆にすかっとしました!

すべての人が読んでおかねば
ならない本であることは
間違いありません。

————————————
『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?経営における「アート」と「サイエンス」』(山口周著/光文社)
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昨今のグローバルカンファレンス
ではよく「VUCA」という言葉が聞かれます。
もともとは米国陸軍が現在の
世界情勢を表現するために
用いた造語ですが、今日では様々な
場所で聞かれるようになりました。

「VUCA」とは「Volatility=不安定」
「Uncertainty=不確実」
「Complexity=複雑」
「Ambiguity=曖昧」という、
今日の世界の情勢を表す四つの単語
の頭文字を組み合わせたものです。

さて、では「他の人と戦略が同じ」
という場合、勝つためには何が
必要になるでしょうか?
答えは二つしかありません。
「スピード」と「コスト」です。

よく企業の経営をPDCAサイクルと言いますが、
言い換えればPlanをアート型人材が描き、
Doをクラフト型人材が行い、
Checkをサイエンス型人材が行うというのが、
一つのモデルになると思います。

私は、千利休を、世界最初の
クリエイティブディレクターだと考えています。
というのも、千利休という人は、
歴史上はじめての「ディレクションはするけど、
クラフトはしない人」だったからです。

しかし今日、多くの企業経営者は、
コンサルタントではなくデザイナーや
クリエイターを相談相手に起用しています。

では両者に共通する「本質」とは何か?
一言で言えば「エッセンスを
すくいとって、後は切り捨てる」ということです。

そのエッセンスを視覚的に表現すれば
デザインになり、
そのエッセンスを文章で表現すれば
コピーになり、そのエッセンスを
経営の文脈で表現すれば
ビジョンや戦略ということになります。

「そもそも何をしたいのか?」
「この世界をどのように変えたいのか?」
というミッションやパッションに
基づいて意思決定することが必要になり、
そのためには経営者の「直感」や「感性」、
言いかえれば「美意識」に基づいた
大きな意思決定が必要になります。

世界が巨大な「自己実現欲求の市場」
となるとき、世界的に形成された
「日本=美意識の国」という
パーセプションは、
極めて大きな武器になるはずです。

問題になるのは
「イノベーションのその先」に
何を追求するか、ということです。

デザインとテクノロジーだけを
拠り所にして実現された製品には、
悲惨な結末しか待っていません。

なぜならデザインとテクノロジー
というのは、サイエンスの力によって
容易、かつ徹底的に
コピーすることが可能だからです。

一方で、ストーリーや世界観は
コピーできません。

ストーリーや世界観というのは、
その企業の美意識がもろに
反映するわけですから、
これはサイエンスではどうしようもない。

自分なりの「美意識」を持ち、
その美意識に照らしてシステムを
批判的に見ることでしか、
私たちは「悪」から遠ざかるすべはないのです。

「美のマネジメント」に携わる人たち
すべてにとって、高い水準の
審美眼・哲学・倫理観が求められる、
ということです。

昨今、多くのグローバル企業や
アートスクールにおいて、
「見る力」を鍛えるために、さかんに
実施されているのがVTS
(=Visual Thinking Strategy)です。

参照:
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というわけで、

▼「共感・意外性・感動」の法則を解き明かす!
———————————–
スタイルを確立させよう。
———————————–

アートは、
組織の創造性を後押し、
ステークホルダーをわくわく
させるようなビジョンを
生み出す役割。

サイエンスは、
体系的な分析や評価を通して、
現実的な裏付けを行う役割。

クラフトは、
アートが生み出したビジョンを
現実化するための実行力を
生み出す役割。

さて、あなたはどれ?

自分の役割を
まっとうできる場所で
仕事ができる人はしあわせですね。

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