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BOOK REVIEW書評

『定年消滅時代をどう生きるか』(中原 圭介著/講談社)vol.533

本日の一冊は、『定年消滅時代をどう生きるか』(中原 圭介著/講談社)です。

 

 

定年消滅時代、です。

 

年末にむけては
以前もお伝えしたように、

書店で本当に良い本が
並ぶ時なのでうれしい芝蘭です。

先日も書店で10冊くらい
手にとって買おうとしたら、

「え?そんなに買うの?」
と家族に驚かれました。

慣れっこです。

さて、今年最後にご紹介する本は
やはりこれにしようと思います。

経済アナリストであり、
経営アドバイザーの中原圭介氏の
著書です。

終身雇用、年功序列が崩壊、
というのはなんとなくは
わかっていても、

それによって世の中が
どうなっていくのか?

これを理解しておかなければ
考えていないことと同じです。

 

 

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『定年消滅時代をどう生きるか』(中原 圭介著/講談社)vol.533

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ファンケルも2018年、契約社員と
パート社員の全938人を対象に、
無期限に雇用継続ができる
制度を導入し、生涯現役の時代が
近づいていることを予感させます。

つまり、雇用のあり方が、
従来のように勤務地等の労働条件が
限定されない「メンバーシップ型」から、
それらを限定した、欧米では一般的な
「ジョブ型」へと大きく変わろうと
しているなかで、若者であろうと
中高年であろうと、企業が求める
スキルを持たない人は以前と
同じ条件で雇う必然性が
なくなっていくというわけです。

そのため多くの企業では、
人手不足で上昇幅が大きい若手の
人件費をまかなう手段として、
一定の年齢に達した段階で
管理職から外れる、いわゆる
「役職定年」の強化に乗り出しています。

トップクラスの大学では
優秀な学生を育てるために、
それぞれの教育体制の改革を
進めているところですが、
おそらくは2040年代には
3分の1の大学がなくなっている
のではないでしょうか。

おまけにNTTでは、AI開発や
データ分析を担う人材の
およそ3割が、35歳になるまでに
GAFAなどに引き抜かれてしまう
という事態に悩まされているというのです。

ダイキン工業も大阪大学と協力して、
AI人材を育成する
社内講座を開講しています。

世界でビジネスモデルの変化が
目まぐるしい時代に、新卒で
採用したすべての社員を長い時間
かけて悠長に育てていくのは
難しくなりつつあります。

給与は年齢ではなく職務に
対して支払われるので、
毎年無条件に昇給する
ということはなくなります。

リクルートワークス研究所の
調査によれば、日本企業のなかには
社内失業者が2020年の時点で
推計408万人いるとされていますが、
中高年を中心にこの人数は
増えていかざるをえないでしょう。

衛生用品メーカーのユニ・チャームが
2018年に副業制度を導入後、
高齢者用オムツの開発をしている
若手の社員などは、老人ホームで
介護ヘルパーとして働いているといいます。

少子化により新卒者の絶対数が
少ないから就職に有利だといえるのは、
あと5~10年のうちのことです。

このような傾向が続くと、
優秀な学生を集められない大学は
存在する価値を失い、なかには今の
有名私立大学でも経営が
不安定になるところが出てきます。

さらに驚くべきことに、
マサチューセッツ工科大学や
スタンフォード大学、ハーバード大学
のような超一流大学の学生になると、
4年間の平均で1000冊もの
本を読むのが普通なのだそうです。

アメリカの大学の学生と比べて、
日本の大学の学生はどのくらい
本を読んでいるのでしょうか。
実をいえば、日本の学生は
4年間の平均で、わずか40冊しか
本を読んでいないといことです。

専門性の高いデジタル人材を
育てるという目的で、滋賀大学は
2017年に国内で初めて
データサイエンス学部を立ち上げています。
(略)データサイエンス学部への
志望者数が増加している滋賀大学では、
2019年から新たに大学院の修士課程を、
2020年から博士後期課程を
設けるまでになっています。

今の便利な世の中を否定する
つもりはまったくありませんが、
現実に便利な世の中で生きる人々は
知らず知らずのうちに、日々の生活で
考える機会が奪われているのです。

しかしながら、これからどれだけ
技術革新が推し進められようとも、
絶対に廃れない基本的な能力があります。
それは、考える力=思考力
(読解力・論理力・直観力・感性など
を包括する能力)です。

考える力が強い人は、
いつの時代にどこで働こうとも、
常に求められる貴重な人材になるからです。
言い換えれば、考える力が強い人は
「基本的なスキルが高い人」と言えるでしょう。

参照:
『定年消滅時代をどう生きるか』(中原 圭介著/講談社)vol.533

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というわけで、

▼「共感・意外性・感動」の法則を解き明かす!
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自らの価値をどうやって高めるか?
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自分の価値を高める方法。
これからの働き方。

若者と中高年では
当然求められる能力も違うわけです。

さまざまな本が
出ていると思いますが、

中原氏の本はやはり読みやすく、
きたるべき未来をしっかりと
提示してくれていると思います。

教育関係、大学関係者にはとくに
しっかり目を通しておいて
もらいたいなと思います。

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