『なぜローカル経済から日本は甦るのか』(冨山和彦著/PHP研究所)vol.289
こんにちは、
本日の一冊は、
『なぜローカル経済から日本は甦るのか』(冨山和彦著/PHP研究所)です。
Gの錯覚、です。
配信が遅くなりました!
すみません。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
さて、通常の新書ならば30分くらいで
読めますが今日の新書は
えらく時間がかかりました。
日本の未来と課題が書かれている本で、
飛ばし読みなんてありえませんからね、
しっかり読んでいました。
著者はカネボウ、
JALの再生に関わってきた人物。
といえばわかるでしょう。
冨山和彦氏です。
メディアのいう事を
なんでも鵜呑みにしていては
ダメなんだな、ということを思い知らされました。
大企業、中小企業という従来の枠組みを外して
新しい視点で世界を見たときに、
見えてくる日本の課題がわかります。
グローバル(Gの世界)。
ローカル(Lの世界)。
どちらがいいとか悪いとかではありません。
・規模の経済性
・密度の経済性
どちらの世界で生きているのか?
グローバルという言葉に踊らされて、
おかしな戦い方をしていないか?
しっかり理解しておかないと
ダメですね。
グローバル(G)の世界では、
世界チャンピオン級しか生き残れないのです。
では大多数を占める
ローカル(L)世界での成功要因は?
読み応えありです。
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『なぜローカル経済から日本は甦るのか』(冨山和彦著/PHP研究所)<Amazonで購入>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569819419/withup-22/ref=nosimしかし、日本のGDPと雇用のおよそ七割を占めるのは、
製造業ではなくサービス産業だ。しかも、サービス産業の大半は、
世界で勝負するようなグローバル企業ではなく、国内地域内の
小さなマーケットで勝負するローカル企業が大半だ。二〇一三年十月の人口推計によると、十五歳から六十四歳の
生産年齢人口は、前年から一一六万人以上減少し、
とうとう八〇〇〇万人を下回った。グローバル経済圏は、製造業やIT産業が中心になる世界だ。
ローカル経済圏の産業は、GDPや雇用のおよそ七割を占める。
この経済圏の経済特性は「密度の経済性」が効き、
不完全な競争の世界だ。この世界で製造業のように規模の効果でコストが
百分の一になることは絶対にないのだ。
本質はあくまでも労働集約型産業なのである。日本の製造業は、自らの経営資源と事業モデルを
集中することさえできれば、高収益を挙げる力は持っている。グローバル経済圏の中小企業政策は、たった一つしかない。
ただの下請けに明日はない。自ら世界に打って出るか、
世界チャンピオン級の大企業にとってかけがえのない
協力パートナーになるか、どちらかしかない。大企業と中小企業ではなく、これからはグローバル企業と
ローカル企業という分け方をするべきである。日本企業は現場力が強い。(略)ところが、今、本社力がものを
言うようになると、日本企業は脆弱性を露呈し始めた。
それが、この二十年間に起こっている現象である。世界の一〇〇パーセントのマーケットを相手にしようと思えば、
国際ルールでやるしかない。設備(物的資本)と知識(人的資本)の高度な集約化が
必要なグローバル競争では、高水準の先行投資、
リスクテーク投資を持続することが求められる。密度の経済性が効く産業では、空洞化が起きない。
対面型のサービスでは「その場所」でやっていることに
意味があるからだ。ローカル経済圏では、生産性の高低やサービス内容の
良し悪しによって、必ずしも競争原理が働くわけではないのだ。ローカル経済圏で生産性を上げるのは、
規模の経済性ではなくベストプラクティス効果である。中小企業の場合、事業体の六割から七割程度は経営者の資質になる。
参照:
『なぜローカル経済から日本は甦るのか』(冨山和彦著/PHP研究所)
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というわけで、
▼「共感・意外性・感動」の法則を解き明かす!
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├○ 切り口を変えると、世界の見方が一変する。
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人手不足の解決策の正しい順番は、
労働生産性の向上 → 女性と高齢者の活用 →外国人の雇用
だそうです。
グローバル経営者のみなさんが
間違いやすいポイントは、
逆を考えていること、
だそうですよ。