『IRの成功戦略』(佐藤淑子著/日本経済新聞社)vol.304
こんにちは、
本日の一冊は、
『IRの成功戦略』(佐藤淑子著/日本経済新聞社)です。
アイアール、です。
今日の本は、
読む人を選ぶだろうなと思います。
IR(Investor Relations)
と聞いて触覚が立つ人は
少ないと思うからです。
上場企業じゃあるまいし、
関係ないわ、
と思うかもしれません。
IRとは、
企業が投資家に向けて
経営状況や投資判断に必要な
情報開示をする資本市場との橋渡し役。
いわば、これも
コミュニケーション戦略の一部です。
自社のゆく先を理解しており、
戦略や財務状況を把握していないと
コミュニケーションがとれないということ。
「戦略」と言う言葉を使って語る人は、
ここに書かれてあることを理解していないと
ダメなんだろうなと思います。
IRでうまくいっている企業の事例も
コラム風に書かれてあるのですが、
それもとても面白かったです。
・ユナイテッドアローズ
・エーザイ
・オムロン
・カプコン
・JT
など。
私はオムロンのレポートを
WEBに見にいって確認したくらいです。
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『IRの成功戦略』(佐藤淑子著/日本経済新聞社)<Amazonで購入>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/453211327X/withup-22/ref=nosim
IR優良企業賞(大賞)を11年に受賞した、ファミリーマートの上田準二
会長は、若手社員に「君が社長だったら、自社のことをどのように投資家に
説明するか」「投資家の質問にどう答えるか」を常に問うていたといいます。
企業価値の向上は、経営トップの使命です。
経営とは、ヒト・モノ・カネなどの資源を適切に配分し、
持続的に事業を営むこと。
ビジョンのよりどころとなるのが企業理念です。
そもそも成長戦略には、どんな要素が備わっていればよいのでしょうか。
(略)この五本柱を具体化すると、
1)「目指す姿」を明確にする
2)「目指す姿」に向けて全体的な戦略と事業戦略を策定する
3)戦略の目標値を定める
4)目標をステークホルダーと共有する
5)対話によって評価につなげる
オムロンは、年2回の株主判明調査結果などを基に、その時点での
オムロンとの適合性、過去の保有履歴、投資家の所在地、接触状況
などを定量的、定性的に評価分析し、対象先を分類しています。
なぜ、IRにおいてトップの役割が重要なのでしょうか。
それは、企業価値を生み出す意思決定は、
トップの決断なしには進まないからです。
これまでのやり方を変えるような決断は、トップにしかできません。
米国では、IR担当役員はCFOであるケースが多い。
IRの目的の背景には、資金調達のコストを逓減することがあります。
リスク情報の開示は、企業にとっては資本コストの上昇を
防ぐという役割があります。
IRオフィサーや担当者をその後、どのように配置・昇進させるか
については、決まった答えはありません。(略)将来、経営幹部や
CFO、CEOとして活躍できる可能性を示すことも考慮すべきです。
実際、経営幹部として活躍する元IRオフィサーも目立ってきています。
参照:
『IRの成功戦略』(佐藤淑子著/日本経済新聞社)
<Amazonで購入>
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というわけで、
▼「共感・意外性・感動」の法則を解き明かす!
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├○
├○ つながりをもって「語れる力」があるか確認しよう。
├○
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IRオフィサーとして求められる力というのが、
読んでいてびっくりしました。
・財務・経理・資本市場の専門知識
・会社法・金融商品取引法・適正開示規則など諸制度の理解
・自社の経営の方向を大局的に把握する力
・社内外とのコミュニケーション能力
・国際化に対応する語学力
って、これすごくないですか!?
経営者の域を飛び越えている気がします。
投資家が最初に接触する人間が、
IRと言われていますからね。
ただこうみていると、
このスキルをもった人が将来的に
経営幹部にならなくて誰がなるんだ?
という感じがします。