『ツカむ!話術』(パトリック・ハーラン著/角川書店) vol.253
こんにちは、
本日の一冊は
『ツカむ!話術』(パトリック・ハーラン著/角川書店)です。
モデストブラッグ、です。
話術の
基本中の基本。
アリストテレスが
とっくの大昔に体系化しています。
・エトス
・ロゴス
・パトス
ですね。
私のメルマガでは、
話す・書く・読むジャンルが
どうしても多くなります。
なので、いまさら
エトスか!パトスか!ロゴスか!
と思う方も
いるかもしれません。
ただ、この説得力を上げる
三大ファクターをうまく使えていない人が
やはり多いのです。
ハーバード大学卒業の
パトリック・ハーラン。
TVでその顔をご存じの方も多いはず。
いまは東京工業大学非常勤講師として、
「コミュニケーションと国際関係」を
担当しているようです。
内容が盛りだくさんなのに、
すごくうまくまとまっているのです。
とにかく私がビビったのは、
アメリカ大統領選における
ディベート・パフォーマンスの一幕!
大統領ブッシュ・シニアと
大統領候補のクリントン。
話をしていない時は、
カメラで抜いてはいけないというルールが
あったにもかからわず、
退屈そうに時計を見ている
大統領ブッシュ・シニアの姿が
全米に放映されてしまった!!
なぜだと思いますか?
まあこれは本筋ではないので
長々と話しませんが、
クリントンが一枚上手だったということでしょう。
ブッシュ・シニアが退屈そうに
時計を見ているのを背後で感じた
クリントンが自分自身の立ち位置を移動した。
ブッシュ・シニアが
ばっちり画面に映るように!!
ということなのです。
いや~、恐ろしい。
こんな実践の現場では、
つまらないテクニックなんて
吹っ飛んでいきますね。
印象操作についての理解が浅いと、
痛い目にあいます。
油断大敵!
——————————————
『ツカむ!話術』(パトリック・ハーラン著/角川書店)<Amazonで購入>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4041107067/withup-22/ref=nosim
エトスとは人格的なものに働きかける説得要素。
話している人を信用しようという気にさせるような表現を指します。
パトスは、感情に働きかける説得要素。
怒り、喜び、愛国心など、聞いている人に特定の感情を
抱かせるような表現が、説得する上で大きな役割を果たします。
ロゴスは、頭脳に働きかける説得要素。
その人のいうことを頭で考えて理解し、
納得するというようなものです。
つまり、話していて人間的な魅力を感じる、話が面白い、
信憑性のある話をする、問題の解決策を知っていそう……
こういう人はエトス度が高い人です。
モデストブラッグ(modest brag)。日本語で言うと、「謙遜自慢」ですかね。
悲しみや憐れみ。基本的にこの感情は、行動を非活性化させるものです。
(略)行動に移してほしい時には「でもあなたの力でこの状況
が変えられる」という使命感や希望と組み合わせてみてください。
怒りや恐怖。これらは世界中の政治家が使いたがるもので、
行動に結びつきやすい感情。
愛国心・所属愛。これが最も行動につながる感情です。
ロゴスはまさに話術。枕詞を使ったり、時々体言止めを使ったり
といった修辞法を用いることや、情景豊かな表現をすることによる
巧みなストーリー展開も、ロゴスを高めることにつながります。
エトス・パトス・ロゴスは同等の力を持っているものではありません。
エトス>パトス>ロゴスとなっています。
コミュニケーションをうまく取るためにどうするか。
その第一歩が「相手を知る」こと。
共和党のメッセージ作戦で最も活躍した中にフランク・ランツという
男性がいます。日本ではあまり知られていませんが、
フレーミング王として有名な人。
彼は言い換えによる印象操作にものすごく長けています。
例えば彼は、「金持ち(rich people)」のことを、
「雇用をつくる人(job creators)」と言い換えました。
常に疑問を持つ姿勢でいると、思考停止に陥りません。
疑問があるから、質問も出やすくなる。
エトスはあなた自身で説得するということ。
あなたの言うことをどれだけ聞く気になってもらえるか。
参照:『ツカむ!!話術』(パトリック・ハーラン著/角川書店)
<Amazonで購入>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4041107067/withup-22/ref=nosim
————————————————————————
というわけで、
▼「共感・意外性・感動」の法則を解き明かす!
┌───────────────────────────────────┐
├○
├○ 伝えたいことがあるなら、自分を磨き上げろ。
├○
└───────────────────────────────────┘
スピーチやプレゼンをする時に、
説得の3要素がバランスよく入っているか?
それをチェックするのって難しいですよね。
でもこの本には、
チェック項目が載っているので
活用されるといいと思いますよ!
そしてその「チェック項目」は、
エトス、パトス、ロゴスのどれにあたるのか?
ということも確認できます。
これは非常によくまとまっています!
もしいま私がプレゼンセミナーをするのであれば、
必読書として紹介しますね。