『街場のメディア論』内田樹著 vol.88
こんにちは、
本日の一冊は
『街場のメディア論』内田樹著です。
3本の指に入ります。
おそらく、今年読んだ中で、
間違いなく3本の指に入ると思います。
大人気シリーズ「街場シリーズ」の第4弾ですが、
メディア関係者の友人たちに
この本を配って歩きたいくらいです。
紙の本が電子書籍に対して持ちうる
最大の「アドバンテージ」は何なのか?
「本」は何のために必要なのか?
本当の読者はどこにいるのか?
各種、衰退するメディアについて語るときに、
「消費者」という定義をかくも見事にとらえ
事象を明快に解きほぐしてくれる書き手は
なかなか他にいないのではないでしょうか。
新書大賞2010を受賞。
第六回小林秀雄賞を受賞。
神戸女学院大学教授。
合気道六段の腕前。
武道にも秀でている内田樹氏の本質をとらえる目は、
優しい語り口ながら本当に刺さります。
人それぞれこの本の読み方はあると思いますが、
キーワードは五文字で言い表せるはず。
ブックコンシェルジュアソシエーションで
中核に据えた活動に間違いはないと確信しました。
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情報を評価するときに最優先の基準は「その情報を得ることによって、
世界の成り立ちについての理解が深まるかどうか」ということです。「患者さま」という呼称を採用するようになってから、
病院の中でいくつか際立った変化が起きたそうです。
一つは、入院患者が院内規則を守らなくなったこと(飲酒喫煙とか無断外泊とか)、
一つはナースに暴言を吐くようになったこと、
一つは入院費を払わずに退院する患者が出てきたこと。「消費者的にふるまう」というのは、ひとことで言えば、
「最低の代価で、最高の商品を手に入れること」
をめざして行動するということです。「なぜ、自分は判断を誤ったのか」を簡潔かつロジカルに言える知性が
もっとも良質な知性だと僕は思っています。
少なくとも自然科学の世界ではそうです。「どうしてもこれだけは言っておきたい」という言葉は
決して「暴走」したりはしません。(略)だから、ほんとうに
「どうしても言っておきたいことがある」という人は、言葉を選ぶ。人が三人集まれば、「世論」は形成される。
これまで読者として認知されなかった人たちを読者として認知したこと。
それこそが電子書籍の最大の功績だと僕は思います。図書館に新刊を入れることに反対する人は、たぶん
「自分の本を読む人」よりも「自分の本を買う人」のほうに
興味があるのだと思います。だから、「無料で自分の本を読む人間」は
自分の固有の財物を「盗んでいる」ように見える。読みたい本をすぐに読むという願いの実現を妨害する
すべての社会的要因は出版文化にとってマイナスである。生まれてはじめて読んだ本が「自分でお金を出して買った本だ」
という人は存在しません。僕たちは「今読みたい本」を買うわけではありません。
そうではなくて「いずれ読まねばならぬ本」を買うのです。読書人は有用な知識や実用的な情報を求めて本を読むわけではありません。
今ここにある欠如を満たすために本を選ぶわけではありません。
まだここにない欠如を基準に本を選ぶのです。この危機的な状況を生き延びることのできる人と、
できない人の間にいま境界線が引かれつつあります。
それはITリテラシーの有無とは本質的には関係ありません。
コミュニケーションの本質について理解しているかどうか、
それが分岐点になると僕は思っています。Sauve qui peut(ソーブ・キ・プ)というのは船が難破したり、
前線が崩壊したりしたときに、船長や指揮官が最後に宣言する言葉です。
「生き延びられるものは生き延びよ」。どうすれば生き延びられるのか、それについての
マニュアルやガイドラインはもうありません。参照:
『街場のメディア論』(内田樹著/光文社)
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というわけで、
●「共感・意外性・感動」の法則を解き明かす!
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生100%?それとも果汁30%くらい?
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私はいつも幸せだなと思うことがあります。
というのも、まるで
「搾りたての生ジュース」のような
生の持つみずみずしい言葉に出会う機会が多いからです。
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「真に個人的な言葉」というのは、
ここで語る機会を逸したら、
ここで聞き届けられる機会を逸したら、
もう誰にも届かず、空中に消えてしまう言葉のことです。
そのような言葉だけが聞くに値する、
聴くに値する言葉だと僕は思います。
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上記は、『街場のメディア論』の中にある一節ですが、
私はこのような場に何度も遭遇します。
空中に消えてしまうような言葉。
聴くに値する言葉。
私はこれを追い続けたいと思います。
頑張ります!
新刊『武道的思考』(内田樹著)も
とても楽しみにしている私です^^
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気になります。
武道も!