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BOOK REVIEW書評

『耳で考える』養老孟司・久石譲著 vol.42

こんにちは、

本日の一冊は、

『耳で考える』養老孟司・久石譲著です。

 

『耳で考える』養老孟司・久石譲著

 

「理屈」ではなく「共鳴」。

 

ずっと、皮膚感覚というものを
私は大事にしてきました。

なかば悶々としている中、
出会ったのがこの本でした。

『バカの壁』の著者である養老孟司さんと、
アカデミー賞を受賞した『おくりびと』
の映画音楽を担当された久石譲さんの対談です。

言語、建築、音楽、情報という分野に
携わっておられる方は、
非常に共感することが多いのではないかと思います。

正直いって、脳は名曲を欲するという
のは余計なサブタイトルだと思います。

これでは音楽に興味のない人は読まないので、
もったいないですね。

もっと深いことが書かれています。

意識、無意識の領域に迫る世界です。

 

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『耳で考える』(養老孟司・久石譲/角川書店)

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(養老)
目が耳を理解するためには、
「時間」という概念を得る必要があり、
耳が目を理解するためには、
「空間」という概念をつくらなきゃいけない。
それで「時空」が言葉の基本になった。
言葉というのはそうやって生まれてきたんです。

(養老)
そういうふうに言葉で表現しようとすると必ず落ちていく、
絶対に比べようがないものを、哲学では「クオリア」という。

(久石)
音楽を構成する要素は、「メロディー」と「ハーモニー」と「リズム」です。
「リズム」というのは刻んでいくわけですから
時間の上に成り立っています。
「ハーモニー」は響きです、その瞬間、瞬間を
輪切りで捉える、いわば空間把握ですね。
では「メロディー」は何か。
時間と空間の中の「記憶装置」なんです。

(養老)
意識を失った人が意識を取り戻す時も、最初に耳が回復する。
声が聴こえてきて、次に目が開くんです。

(養老)
僕は、人に合わせた触覚の重視のためには「木の文化」
の復権しかないと思っています。

(久石)
先ほど脳は視覚にだまされるというお話がありましたけど、
味覚もけっこう脳をだましますよね。

(養老)
今の人はレールが敷かれたところ、舗装された道しか歩かないから、
面白いものと出会わないんです。面白いものは舗装道路にはない。

(養老)
文章の基本はリズムですよ。読みにくい文章というのは、
根本はリズムが合わないんです。

(久石)
音楽も近いところがあります。
いいスコアは綺麗なんですよ、音符の配分が。ぱっと見てわかる。

(久石)
リズムの基本は円なんです。指揮者というのは指揮棒を上下に
振り回しているように見えるかもしれませんが、
上下の動きではなくて基本は円です。
だから、指揮の勉強を始める時に最初にやる練習は、
ただただ円を描く練習なんですよ。

(養老)
ものを書く、ものをつくるとは、情報化すること。
「情報化の作業」と「情報処理の作業」はまったく違うんですよ。

(養老)
根本的に人と人とが理解するのは、理屈じゃなくて「共鳴」ですよ。

(養老)
オリジナリティとは、新しい共感を発見すること。

参照:
『耳で考える』(養老孟司・久石譲/角川書店)

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というわけで、

 

●「共感・意外性・感動」の法則を解き明かす!
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「共鳴」はリズム感から生まれる。

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今回は本に線を引いた箇所があまりにも多すぎて、
大幅にカットしなければなりませんでした(涙)

限られた時空の中で表現していくのは
本当に難しいですね。

マレーシアのとある場所のホタルが光り方を同調させる話、
ホイヘンスの振り子時計の話など
興味深いことがたくさん書かれてありました!

皮膚感覚を大切にする重要性が、
とてもよくわかります。

 

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