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BOOK REVIEW書評

『処世術は世阿弥に学べ!』土屋恵一郎著 vol.25

こんにちは、

本日の一冊は

『処世術は世阿弥に学べ!』土屋恵一郎著です。

 

『処世術は世阿弥に学べ!』土屋恵一郎著

 

ビジネスリーダーとして尊敬しています。

 

私の研究テーマのひとつに、
「経験知」の体系化があります。

たとえば、同じ手術を受けるにしても、
昨日今日、医者になったばかりの外科医ではなく、
手術事例をたくさん持つ外科医にお願いしたい
と誰でも思います。

それはなぜか?

ひとことでいえば、経験知が違う。

では、その経験知はどのように養われるのか?
・・・というようなことです。

さて、「経験知」に近い要素として、
以前から「口伝」というものに興味がありました。

秘伝の書。
一子相伝。
世阿弥です。

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『処世術は世阿弥に学べ!』(土屋恵一郎著/岩波書店)

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これは、能楽評論家であり、法学者である著者が、
世阿弥を日本初のマーケティングの天才として
取り上げています。

タイトルは著者も認めているように
少しいただけないのですが、
これは芸術を超えた人生戦略論であり、戦術書です。

・勝負の波をとらえる
・タイミングを見極める力
・ブランドイメージの創造
・課題の乗り越え方

というキーワードに興味がある方には、
ぜひ一読をおすすめします。

 

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『処世術は世阿弥に学べ!』(土屋恵一郎著/岩波書店)

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最初の試練や、失敗こそが、
「初心」という言葉の本当の意味である。

言いたいことを要約して、言葉に結晶させる力のない者は、
なかなかリーダーとはなれない。

何人かの役者が同じ日の同じ舞台で、能を上演して、
その勝負を競ったのだ。それは勝負ごとであった。
その勝負に負ければ、評価は下がり、パトロンは逃げる。

「時の間にも、男時・女時とてあるべし」

世阿弥は、世界で最初の演劇論を書いた人間である。
頼りになる言葉も理論もなかった。
自分で言葉を作り、それを自分で解釈してみせた。
そこに、世阿弥の創造性(クリエイティヴィティ)がある。

たとえ自分の子であっても、その子に才能がなければ、
芸の秘伝を教えてはならない。

能の役者の身体そのものが、マーケティング・リサーチを
しているのだ。そのマーケットでなにが受けるのかを、
直観的にわからなかったら、人気は出ない。

人生も幽玄である。美しくなければならない。

若いときはそうはいかない。心と体が一緒に動く。
動くことに心がいつもついてくる。それがうるさい。

参照:『処世術は世阿弥に学べ!』(土屋恵一郎著/岩波書店)

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というわけで、

 

●「共感・意外性・感動」の法則を解き明かす!
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

経験知こそ、財産。

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ビジネスパーソンの行動学とリンクして
語っているのは面白いと思います。

シェークスピアよりも200年も早い時期に、
『花伝書』という演劇論が書かれたというのは、
日本人の誇りですね。

働きざかりのビジネスパーソンに、また少し
行き詰っている人に効く1冊かもしれません。

 

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