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BOOK REVIEW書評

『「雑草」という戦略 予測不能な時代をどう生き抜くか』(稲垣 栄洋著/日本実業出版社)vol.563

CSR三角形理論、です。

勝手に大ファンなのですが、
稲垣栄洋先生の著書。

新刊ですね!

『弱者の戦略』という本を読んで以来、
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ずっと勝手に、一方的に
ファンです(笑)

農学博士にして、
専門は雑草生態学。

面白い世界ですね。

雑草って、
踏まれても踏まれても~
みたいな世界を生きている

なんて思ったら
大間違いですね。

非常にしたたかに
独自の戦略を持ち、
進化させ続けている。

これは本当に面白い。

いつも稲垣先生の本を
読むときに思うのですが、

中途半端な戦略本よりも、
よほど本質の戦略論なのです。

一読してくださいね。

————————————
『「雑草」という戦略
予測不能な時代をどう生き抜くか』
(稲垣 栄洋著/日本実業出版社)vol.563
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「雑草は、もっとも進化した
植物である」と言われている。

木が森林に生えるわけではない。
草が草原に生えるわけではない。
木が有利な場所に木が生える。
草が有利な場所に草が生える。

コア・コンピタンスとは、
「他者を圧倒的に上回る
際立った能力」や
「他者に真似できないような
核となる能力」を指す言葉である。

生物学では、「ニッチ」は
「生態的地位」と訳されている。
私は、これを「ナンバー1になれる
オンリー1の場所」と呼んでいる。

ニッチとはナンバー1になれる
オンリー1の能力を磨くと同時に、
ナンバー1になれるオンリー1の
場所を見つけることである。
隣の戦略をマネするだけでは、
ダメだということなのだ。

(略)植物のCSR戦略は、
「CSR三角形理論」とも呼ばれている。

自然界の競争も同じである。
まともに競争して勝てない
のであれば、悪条件で勝負するしかない。

ストレス耐性型の代表的な
植物にサボテンがある。サボテンは、
水のない砂漠に生えている。(略)
そこでは、競争力は必要とされない。
「水がない」という悪条件さえ
克服することができれば、
競争することなく、
生存することができるのだ。

Cの競争力を強みにして戦略を
立てている大木になるような植物もあれば、
Sのストレス耐性力を強みに
しているサボテンや高山植物の
ような植物もある。そして、
Rの変化に対応する力を強みにして、
特異的な進化をしているのが、
「雑草」と呼ばれる植物なのである。

競合型戦略に求められるのは
「サイズ」である。大きい方が競争に強い。

ストレス耐性型戦略にとって
重要なことを一言で言うとすれば、
それは「蓄積」である。

それでは、ルデラルな
攪乱適応型戦略はどうだろう。
変化を乗り越えるためにもっとも
必要なことは「スピード」である。

恵まれた条件では、
間違いなく強い者が勝つ。もし、
弱者にチャンスがあるとすれが、
それは不安定な状況であり、
恵まれない状況である。

そうであるとすれば、
弱者は逆境を恐れてはいけない。
むしろ弱者は逆境を
歓迎しなければならない。

草刈りをすればするほど、
草刈りに強い雑草が有利になり、
草刈りに強い雑草がはびこるようになる。
人間が草刈りに強い雑草を
増やしているのである。

雑草にとって重要なことは
芽を出すタイミングである。
芽を出すタイミングを見誤れば、
たちまち死んでしまう。

そして、Rの攪乱適応型戦略に
必要な要素は、「スピード」と
「次への投資」である。

攪乱を嫌うのは、
競争力を誇る強者だけである。
競争に勝てるのは、ナンバー1だけである。
ナンバー2以下は弱者である。
弱者にとって、
攪乱はチャンスでしかない。

パイオニアに求められるのは、
とにかくスピードである。目の前には、
競争相手のいない土地が広がっている。
そこに求められるものは、
相手を打ち負かす競争力ではなく、
速やかに進出するというスピードだ。

自分の得意な場所に生える。
これが雑草の極意である。
だから、雑草は戦う場所をしぼり込む。
しかし、オプションを
しぼり込んではいけないのである。

雑草にとって大切なことは
種子を作ることである。だからこそ、
雑草は踏まれても立ち上がるという
無駄なことはしない。
踏まれながら、いかにして
種子を残すかに全力を尽くすのだ。

参照:
『「雑草」という戦略
予測不能な時代をどう生き抜くか』
(稲垣 栄洋著/日本実業出版社)vol.563
<Amazonで購入>
https://amzn.to/2DFkFay
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というわけで、

▼「共感・意外性・感動」の法則を解き明かす!
———————————–
本当に大切なことは何か?
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引用がたくさん!
はりきってしまいました。

植物のCSR三角形理論、
面白いですね。

1つ目のCは競争(competitive)、
2つ目のSはストレス耐性(Stress tolerance)、
3つの目のRはルデラル(Ruderal)。

3つ目は、直訳すると
荒地に生きるという意味です。

攪乱適応戦略とも
言われていますが、

著者からのメッセージは、
まさにここに集約される!

のだと思います。

非常にしたたかに、
雑草は進化しています。

そしていまの時代に
まさに必要なことは、

CSRのなかの「R」
ルデラル(攪乱適応型)
なのでしょうね。

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