『字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ』太田直子著 vol.30
こんにちは、
本日の一冊は、
『字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ』太田直子著です。
強烈な制約条件です。
1秒、きっかり4文字。
ほんとに、いろんな世界があるものです。
映画の字幕翻訳にはきびしいくらいの
制約条件があります。
大勢で話している場合、
誰のせりふをピックアップするのか
決めなければならない。
まともに訳していたら、
スクリーンが文字だらけです(笑)
字幕屋の視点を通して、
編集力と感性がおおいに問われる世界!
でも、主張しすぎてもいけない。
ネイティブが笑っていないのに、
日本人が字幕を見て笑っているようでは、
越権行為だとも言います。
(なるほど・・・)
字幕作品に、『初恋のきた道』 『シュレック2』
『ヒトラー最期の12日間』 『コンタクト』ほか、
1000本以上の映画字幕翻訳の実績をもつ著者。
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『字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ』(太田直子著/光文社)
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日本語を正しく使おうねとか、敬語が間違っているとか
そんな話ではありません。
知識基準をどこに置くか?
最大公約数探し。
語彙力、表現力の低下について
字幕屋の視点できりこんでいます。
職人としてのもがきに、
非常に共感を覚えました。
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『字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ』(太田直子著/光文社)<Amazonで購入>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/433403392X/withup-22/ref=nosim「一秒四文字」を原則として、ひとつひとつのせりふに
「要約翻訳文」をつくっていく。「日本語に堪能な外国出身者」の和訳を見てきて
わかってきたのは、「日本語の文章を書くうえで
一番難しいのは性別や年齢や立場の違いを表す
言葉の使い分けらしい」ということ。とりわけ敬語や女言葉は難題のようだ。(略)
「どうかなさったの」と言っていた
名門のたおやかな令嬢が、次のページでは
「わたしが悪かった」とオスカル化していたりする。映画字幕に読めない漢字が出てきた場合、
読めない観客が悪いのではなく、
読めない漢字を出してしまった字幕屋が悪い、
ということに世間ではなっている。「わたし」を「私」とは書けないのだ。
「私」の正しい訓読みは「わたくし」であって「わたし」ではない。ドラマティックなシーン以上に語順で神経を
使うのがジョークだ。「狂」という字も忌み嫌われた。
「この時計は狂っている」と書けないもどかしさ。
ではなんと書けばいいのか。(略)
「この時計は正確ではない」「この時計は時刻どおりではない」。
どんどん字数が増えていく。字幕の料金は映画の長さで決まる。せりふが多くても
少なくても、計算は同じなのだ。せりふとは単独で成り立つものではない。
相手がなにを言ったかによって、自然と引き出されてくるものだ。語彙力・表現力の低下は、コミュニケーション能力の
低下につながる。これすなわち幼稚化。制限字数内に要約するには心情を読まねばならないのだ。
参照:『字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ』(太田直子著/光文社)
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というわけで、
●「共感・意外性・感動」の法則を解き明かす!
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要約翻訳とは、攻防の心理戦なり。
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なんだか、最近、新書の掘り出し物に
多く出会っているような気がします。
『「社会調査の」ウソ リサーチ・リテラシーのすすめ』(谷岡一郎著)
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『処世術は世阿弥に学べ!』(土屋恵一郎著/岩波書店)
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『勝つための論文の書き方』(鹿島茂/文藝春秋)
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でも、本当は
「持ち運びに肩が凝るぜ!」
というくらいのハード版が好き^^
昔、よく友人から言われました。
「何が入ってるの?あなたのカバン、重すぎるよ」
と。
カバンは機能性が第一!
おしゃれ鞄には憧れますが、
「紐」がどれだけの加重に耐えられるか、
私にはそちらの方が大事です(笑)