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BOOK REVIEW書評

『絵本のよろこび』松居直著 vol.121

本日の一冊は

『絵本のよろこび』松居直著です。

 

『絵本のよろこび』松居直著

 

 

一騎打ち、です。

 

 

勝負を挑まれているな
と思う瞬間は、
だれにでもやってくるものです。

私は、コンサルティングにおいては
毎回そんな状況です。

現実には仕事をお願いされているわけですが、
「これは勝負を挑まれているな」
そう思っています。

相手もその分野のプロです。
とくに私のところに来られる方は、
スペシャリストが多い。
当然、本も書いている方が大半。

言葉も達者!

この人たちと戦っていくためには、

●表現力
●感性
●切り口の斬新さ
●ユニークな視点
●言語能力

など、あらゆる能力を駆使しなければなりません。

相手が腹落ちしてナンボの仕事です。

なまっちょろい
コンサルはしません。

一瞬でも、
「相手の人生を引き受けること」
それがコンサルだと思っています。

ということで、
私がどんなトレーニングをしてきたか。
どんなトレーニングを続けているのか。

それは絵本をビジネス書のように
読んでいるからです。

絵本は、本当に一文字も
無駄なものが許されない世界です!

私が作詞家と絵本作家を尊敬するのは、
これが理由かもしれません。

 

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『絵本のよろこび』(松居直著/NHK出版)

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人間の生存に絶対に欠くことのできないものが三つあります。
それは空気と水、そして言葉です。

大人が失ったものを子どもが引き継ぐことはまずできません。

言葉を大切にするには、日々の暮らしを大事にし、
暮らしのなかの会話をゆたかにすることです。

絵本の挿絵は、説明的に見せさえすればよい
というものではありません。
読者が何を見たいと感じているかを洞察して、
物語の世界へ読者を導く過不足ない絵画表現をする
ことこそが、絵本画家には切に求められます。

芸術は、何を、どう表現するかです。
思想や内容が優れているだけでは芸術とはなりません。

赤い魚たちは二種類のゴム判で押されているだけなのに、
主人公のスイミーだけは手描きです。

画家はいちばん強く語りかけたいところに、
多くの場面を割く傾向がみられます。

レオニはどの絵本においてもそうですが、
主人公を画面のどこに位置させるかに、
とても意味をもたせています。

絵本を読むときの鍵は、絵をどのくらい読みとる
ことができるかにかかっています。

「桃太郎」は戦時中、軍国主義の象徴として
ずいぶん利用されました。

どういうモチーフで描きたいのかをたずねますと、
意外なことに「雪を墨絵で描きたい」とのことです。
いささか不安を感じつつも、雪の話なら昔話の
「かさじぞう」と直感し、提案しました。

言葉を失うことは自分を見失うことです。

参照:
『絵本のよろこび』(松居直著/NHK出版)
<Amazonで購入>
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というわけで、

 

▼「共感・意外性・感動」の法則を解き明かす!
┌───────────────────────────────────┐
├○                                
├○ 「絵」を読め。                  
├○ 
└───────────────────────────────────┘

赤羽 末吉さんのイラストバージョンの
『かさじぞう』です。
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真っ白い雪を「墨絵」で表現している世界を
ぜひご堪能ください!
アマゾンで画像だけでも見てくださいね。

赤羽さんは満州からの引揚者で、
日本の雪に見せられ東北で雪のスケッチ、
そして何千枚もの雪景スライドを撮影された方です。

なんだかわからないけれど、
赤羽さんの絵をみたとき、
私もしっかり仕事しようと思えたのでした。

小さい頃、たくさんの良い絵本を
読ませてくれた両親に感謝。

素直にそう思えます。

 

 

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