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BOOK REVIEW書評

『問題解決のための哲学思考レッスン25』(小川仁志著/祥伝社)vol.265

こんにちは、

本日の一冊は

『問題解決のための哲学思考レッスン25』(小川仁志著/祥伝社)です。

 

『問題解決のための哲学思考レッスン25』(小川仁志著/祥伝社)

 

ハニー・トラップ、です。

 

 

先日、MBAの同期会がありました。

そこで友人に、
「私は仮説の精度が高いと思うのよ」
というと、

友人はすぐに
「それ、わかる!」
と言ってくれました。

そういう私も、
昔から仮説の精度が高かったわけでは
ないと思うのです。

で、ふと思い出したことがあります。

「私はいったい何者?」と
迷走していた20代の頃、
私は哲学書も読んでいた!!
ということです。

いや~、ずいぶんと
自分のことって忘れているものです。

今日の本はまさに
哲学を切り口とした問題解決の本。

正直言って、
3回くらいにわけて
メルマガを配信したいほどです。

このメルマガ読者のみなさんは絶対に
好きな内容ですよ!

●疑う思考
●分類する思考
●切り開く思考
●つなげる思考
●発展させる思考

が大きな章立てです。

そこから、

・物事を相対的にとらえる
―プロタゴラスの「相対主義」

・物事を心の目で見る
―プラトンの「イデア説」

・頭を初期化する
―ロールズの「無知のヴェール」

とか、

・名前をつける
―オッカムの「唯名論」

・現象の背景に目を向ける
―マルクスの「上部下部構造」

・言葉ではなく、文脈を意識する
―ウィトゲンシュタインの「言語ゲーム」

・説得ではなく、合意を目指す
―ハーバマスの「コミュニケーション的理性」

など。

それぞれの項目に
ふさわしい哲学者の理論を
図解しているのです!

25個の必須である
哲学概念を「公式」にしているなんて、
すごいです。

この目次が整理されていて
久々に美しい目次に出会ったと思います。

著者の過去作品には、ベストセラーとなった

『7日間で突然頭がよくなる本』(小川仁志著)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569809189/withup-22/ref=nosim

があります。

著者はいまでこそ哲学者ですが、
元々は伊藤忠商事にいて、
その後フリーターだった時期もある!

これは面白い。

「本質」にたどり着きたい人は、
やはり哲学に一度は触れておかないと!
という感じですね。

 

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『問題解決のための哲学思考レッスン25』(小川仁志著/祥伝社)

<Amazonで購入>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4396113730/withup-22/ref=nosim

 

そもそも、哲学とは批判的・根源的に物事の本質を
探究することを言います。

人が自分は不幸だと思うのは、
勝手に頭のなかで幸福のグラフを作り、
自分を下位に位置づけてしまっているからにすぎません。

イデアとは、そのイデア界に存在する
物事の本質のことなのです。

まず、目に見えるものはすべてまやかしだと見做すこと。
そして、本質を想起するべく、頭を働かせること。

困ったことに、目は感覚的なものをとらえるためにあります。
だから、だまされるのです。

問題解決や新しい発見の喜びは、思考停止を乗り越えて
考え続けた人だけに与えられるご褒美なのです。

だから、凡人はみな同じ行動をとるのです。
そんな凡人から抜け出すには、偏見を取り除くよりほかありません。
レンズの曇りを取ればいいのです。

他人の立場で考えないと、真の正義は判断できません。
しかし、そのためには、自分の事情を脇に置く必要があるのです。

物事が一般化できない人は、バラバラのものを並べてみて、
なんとかそこに共通する要素を発見するように努めてみましょう。

カントによれば、時間と空間は、人間が物事を認識する際の
物差しのようなもの。この物差しがなければ、物事を頭のなかで
整理することなどできない、と指摘します。

問題がきちんと整理できた人は、答えを出したも同然です。
整理力は解決力、と言ってもいいでしょう。

現象を現象として、表面的にとらえているだけでは、
物事の本質は見えてきません。
むしろ、背景こそが大事なのです。

自分たちにとっての利点ではなく、権力の側の利点に目を向ける。
これが裏側を見るということです。

人間には、ふたつの生き方があります。
ひとつはあきらめる人生、もうひとつはあきらめない人生です。

最強の人とは、問題のない人です。

問題を克服して、前に進めた人だけが、
アイデアを生み出せるのです。
だから、答えは前にあると言いたいのです。

 

参照:
『問題解決のための哲学思考レッスン25』(小川仁志著/祥伝社)
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http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4396113730/withup-22/ref=nosim
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というわけで、

 

▼「共感・意外性・感動」の法則を解き明かす!
┌───────────────────────────────────┐
├○
├○   考え抜いた人にだけ見える、光。
├○
└───────────────────────────────────┘

人は美しいものにだまされる!?
西洋で「ハニー・トラップ」と言われているものです。

中国でも同じような概念があります。

『兵法三十六計』にある31番目の
策略と同じです。

やはり、心の目で見る訓練をしないと
いけないですね。

五感を磨いていくと、
開いてきますよ!

心の目。

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