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BOOK REVIEW書評

【芝蘭友】『サーキュラー・エコノミー』(中石 和良著/ポプラ社)vol.569

リソース・ポジティブ、です。

新書なのに興奮して読みました。

タイトルの通り、
サーキュラー・エコノミーとは、
循環型経済のことを言います。

この手の話をするときには、
Reduce(リデュース)
Reuse(リユース)
Recycle(リサイクル)
ですよね?

みたいに思われるのですが、
まったく違うのですよね。

そもそも
廃棄物を出さないところから
設計していく、
ということです。

製品を作るときも
どんなエネルギーを使っても
いいというわけではないわけです。

あくまでも
太陽光、風力、水力、地熱、
バイオマスなど再生可能な
資源エネルギーを使うことが、

大前提!
となります。

分野がまったく違いますが、
不思議なことに、

ビジネスのアイデアが
読んでいるときにあふれてきました。

さよなら、
リニア・エコノミー(直線型経済)
って感じですね。

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『サーキュラー・エコノミー』
(中石 和良著/ポプラ社)vol.569
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サーキュラー・エコノミーは
産業界のグローバルスタンダード
になりつつあり、ディストピアを
回避するには、もはやこの
選択肢しか残されていません。

「サーキュラー・エコノミーの
3原則」とは、以下の3つを言います。
廃棄物と汚染を生み出さないデザイン
(設計)を行う。製品と原料を使い続ける。
自然システムを再生する。

具体的には、5つの基準を設けていて、
「クレイドル・トゥ・クレイドル
(C2C)認証」というグローバルな
製品・素材認証制度が実践されています。

現在世界でC2C認証を取得している
製品は約600に及びますが、残念ながら
日本では2020年6月の時点で
認証を取得した製品はありません。

サーキュラー・エコノミーに
よる5つのビジネスモデル
①循環型供給
②シェアリング・プラットフォーム
③サービスとしての製品
④製品寿命の延長
⑤資源回収とリサイクル

私が最も関心を持っているのが、
②の「サービスとしての製品」です。
製品を売るのではなく、
製品が持つ価値をサービスとして提供する。
これは従来のリニア・エコノミーでは
なかなか思いつかないビジネスです。

これからの時代、原材料供給メーカーは
ただ原材料だけを作っていれば
いいわけではありません。
製品を使い終わった後に回収し、
再び原材料に戻すための仕組みを
あらかじめ考えていかなければならないのです。

こうした製品はこれからの中心的な
買い手となるミレニアル世代
(1981年~1996年生まれ)や
その下のZ世代(1997年~2001年生まれ)
の関心を集めています。

総合コンサルティング会社の
アクセンチュアでは、
サーキュラー・エコノミーで
ビジネスチャンスが広がることで
2030年までに世界で500兆円、
2050年までに2700兆円のビジネス市場
を生み出すとしています。

照明器具メーカーが、
照明器具を売らずに「明るさ」を売る。

企業にとって、「購入」から「利用」
に変わる点もこのビジネスモデルの魅力です。
一度限りで終わっていたユーザーとの関係が、
持続的で緊密なものに変わることで、
細かなユーザー動向を常に
更新しながらつかむことができます。

ちなみに、「スペースヒッピー」
というブランド名は、工場の床などに
落ちている糸くずをナイキで
「宇宙ゴミ」と呼んでいることに由来します。
つまり、廃棄物を原料にしているのです。

10の原則とは、「素材」「循環可能性」
「廃棄の排除」「分解性」「化学物質の安全性」
「修理性」「汎用性」「耐久性」
「パッケージ」「ビジネスモデル」のこと。

たとえば国連環境計画の試算によると、
世界で排出されるCO2のうち約10%は
ファッション産業が排出しています。
これは国際線の航空機と海上輸送の船が
出すCO2を足した量よりも多いのです。

リソース・ポジティブとは、
「地球から採取するよりも多くの資源を、
地球に戻していく」という意味です。

反物を直線で裁つ着物は、
ほどき直して仕立て直すことを
前提に考えられていたとも言えます。

参照:
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というわけで、

▼「共感・意外性・感動」の法則を解き明かす!
———————————–
リニア思考ではなくサーキュラー思考へ。
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ある経営者が言っていました。

引用にも取り上げましたが、
これからの世代の人たちは
こういうことにもとても敏感!

と。

だから自分たちも
作り手としてこの流れに
無関心ではいられないのだと。

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