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BOOK REVIEW書評

『発酵道―酒蔵の微生物が教えてくれた人間の生き方』寺田啓佐著 vol.37

 

こんにちは、

本日の一冊は、

『発酵道―酒蔵の微生物が教えてくれた人間の生き方』寺田啓佐著

です。

 

『発酵道―酒蔵の微生物が教えてくれた人間の生き方』寺田啓佐著

 

「発酵」か「腐敗」か。さながらハムレットです。

 

 

昔から、
モノづくりにかかわる人の話は、
わくわくしながら聞き耳をたてていました。

その人の人生哲学が凝縮された
心動かされる言葉に出会えるからです。

おそらく、この原点は
私が幼い頃に両親が全巻そろえてくれた
「伝記シリーズ」にあるのではないかなと思っています。

自分で少しずつそれが読めるようになってきたとき、

(偉人はやっぱり違うなぁ~、すごいや)

(とてもマネできないな)

と、幼心に感動を覚えたものです^^

苦しんだ先にある笑顔が輝いているから、
その生きる姿勢に共感し、勇気をもらう。
だからどこか記憶に残るのではないでしょうか。

さて今回は、
江戸幕府4代将軍家綱の時代から続く、
自然酒蔵元「寺田本家」当主の苦悩に
酔いしれました。

「五人娘」というネーミングも素敵だなと思ったら、
なるほど面白い方が名づけ親でした。

 

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『発酵道―酒蔵の微生物が教えてくれた人間の生き方』(寺田啓佐/河出書房新社)

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その学びを進めるうちに、「発酵」と「腐敗」という
二つのファクターが、すべての物事を考えるものさし
となり、自分自身が生きるうえでの指針にもなっていった。

古くから誇りのある社員は、「桶売り」などというものは、
伝統ある酒蔵のすることではない、
「桶売り」ではなく「身売り」だとののしったが
私にとってそんなことは関係なかった。

自分の不幸をひとのせいにしながら生きているとき、
天から送られるメッセージはただ一つ。
それは、病気だ。

酒造りを根本から変えるということは、根本である
米を変えるのだ。原料が同じでいいわけがない。

本当の米なら、1000年前のものだって
土に埋めたら芽が出てくるという。

そこで氏に言われたのが、
「あなたのお酒は、お役に立ちますか」という言葉だった。

かつて父は、「商いは、『変わる』ところに味が生まれる」
とつねづね言っていた。

生命の視点で酒を造ろう。昔ながらの酒造りに返ろう。
人の役に立つ酒を造るのだ。そう考えて到達したところは、
無農薬・無化学肥料で栽培された米を使った、
自然酒造りだった。

この酒は、今までの三倍の値段の米で造った酒だ。
倒産覚悟、命がけの決意で造った酒なのだ。
どうせなら、いい名前をつけてやりたい。そう思ったとき、
あることを思いついた。
この酒の名は、歌人・土屋文明氏につけてもらおう。

発酵というのは変化の連続だなあと思う。
変わるから腐らない。
逆にいえば、変わらなければ腐るということなのだ。

実をいうと、発酵のための環境を整えるのには、
もっと大きな影響を及ぼすものがある。
それは人間の「言葉」や「意識」である。

なかでも麹菌を育てるための麹室は、かなり特別にして見た。
床だけでなく、壁も天井も360度すべて炭で覆うことにしたのだ。

あとになってこの電子技法が、実は太古から密かに連綿と
伝えられてきた「カタカムナ文献」と呼ばれる謎の古文書から
得た知恵であることがわかった。

多種多様な微生物が参加することによって、生命力のある、
命の宿った酒ができる。雑菌を排除しながら、純粋な菌だけで
培養して造られた酒というのは、生命力のない、
ただ酒のようなものができただけの話なのだ。

参照:
『発酵道―酒蔵の微生物が教えてくれた人間の生き方』(寺田啓佐/河出書房新社)

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というわけで、

 

●「共感・意外性・感動」の法則を解き明かす!
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

で、それは役に立っていますか?

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

お役に立っているかどうか。

つねにこのフレーズを念頭において、
行動指針としたいと思います。

頑張ります!

 

 

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