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BOOK REVIEW書評

『ピクサー流 創造するちから』(エド・キャットムル著, エイミー・ワラス著/ダイヤモンド社)vol.357

こんにちは、
本日の一冊は、
『ピクサー流 創造するちから』(エド・キャットムル著, エイミー・ワラス著/ダイヤモンド社)です。

『ピクサー流 創造するちから』(エド・キャットムル著, エイミー・ワラス著/ダイヤモンド社)

グッドノート、です。

物理学の道を選んだはずが、
めぐりめぐって、
天職にたどり着く。

面白い!

ピクサーといえば、

アニメ『トイ・ストーリー』を
作り上げたことで有名ですね。

今日はピクサーを作り上げた
CEOの話です。

なかなか分厚い本でしたが、
読み始めるとその世界にひたって、
意思決定のシミュレーションができました。

スタートアップの企業が、
創造性を失わず、
いかに成長し続けることができるか?

それがいちばんの命題です。

ですが要所要所にある
ドラマがまたきりきりするのです。

大きな相手(ディズニー)に対して、
いかに対等に渡り合っていくための
策を講じるか?

IPOのタイミングは
なぜそのときだったのか?

また、ジョブズから、

「ピクサーをディズニーに売ろうかと思っている」
と聞かされたときに、
社内において真っ先にしたことは何か?

これは読むたびに
新しい発見がある本です。

登場するエピソードには、
ジョージ・ルーカス監督や
スティーブ・ジョブズなど華やかな顔ぶれ。

ですが、

ピクサーで働く人間からの
視点を外さずに描かれていて
まさにドラマを読んでいるよう!

です。

「問題は必ず起こる!」

ということが前提で働いている
集団は強いのでしょうか。

読んでいてきりきりしました。

映画の公開が間近になって、
全ファイルがぶっ飛んで消えてしまった!

全ファイルを最速で削除するコマンドが
起動してしまったという状況。

バックアップのメカニズムにも不備があり、
あてにできなくなった。となったとき、

もしあなたが
CEOならどうしますか?

つまり、

・2年間のすべての作業が消えてなくなる
・映画の90%が水の泡になる

という状態です。

まともにやり直せば、
「30人がかりで、ゆうに1年間かかる」
という状態。

考えただけでも恐ろしい!

どうやって乗り切れたのかは
本書を読んでもらうとして、
ピクサーはこれら幾多の荒波を
乗り越えてきた集団というわけです。

リーダーは本当に大変だなと思いました。

シミュレーションするには
よい教材となります。

 

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『ピクサー流 創造するちから』(エド・キャットムル著, エイミー・ワラス著/ダイヤモンド社)

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ピクサーを特別足らしめているもの、
それは「問題は必ず起こる」と思って
仕事をしていることだ。

最初に聞かれたのは、
「ほかに誰を検討したらよいと思いますか」
という質問だった。
この仕事の適任者として、という意味だ。

『トイ・ストーリー2』は、オリジナルより
優れた数少ない続編の一つだと評論家に絶賛され、
興業収入は五億ドルを超えた。

どんなに頭のいい人たちでも
相性が悪ければ無能なチームになる。

アイデアは人が考えるものだ。
だからアイデアよりも人のほうが大事だ。

社員がアイデアや意見、批評を気兼ねなく
交換できるのが、健全な創造的文化の証だ。

悪いところ、抜けている点、わかりにくい点、
意味をなさないところを指摘するのが
グッド・ノートだ。

クリエイティブな仕事の場合、
欠陥ゼロという考え方は、
役に立たないどころか逆効果である。

監督がクルーからの信頼を
失ったら介入する、それが判断基準だ。

秘密主義のコストとリスクを比較してほしい。
秘密主義に走るのは、相手に信頼できない
と言っているのと同じ。

マネジメントの仕事は、
リスクを防止することではなく、
立ち直る力を育てることなのだ。

すごく面白いものにするためには、
あまり面白くない段階が必要なことを
理解できない人々から新しいものを守るのは、
リーダーの役目だ。

自分の意図や信念も曲げない限り、
目標は必要に応じて変えていい。

偶発性を恐れるのではなく、
それをありのままに受け止め、
プラスになるように持っていく、
予測不能性は、創造性が生まれる土壌なのだ。

スティーブ・ジョブズは、
新事実が明るみになるたびに
コロコロ気が変わることで有名だったが、
彼のことを弱い人間だと言う人を見たことがない。

大きな問題も小さな問題も
構造的には同じだと理解できるようになれば、
物事を冷静にみられるようになる。

参照:
『ピクサー流 創造するちから』(エド・キャットムル著, エイミー・ワラス著/ダイヤモンド社)
<Amazonで購入>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478016380/withup-22/ref=nosim

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というわけで、

 

▼「共感・意外性・感動」の法則を解き明かす!
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「偶発性」を楽しもう。

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それにしても、

『スター・ウォーズ』や
『インディ・ジョーンズ』シリーズで
有名なジョージ・ルーカス監督に会うための
一歩手前の面接が面白い。

「君以外に、
このポジションに適当だと思う人は誰か?」

と聞かれるわけですよ。

で、主人公は自分の周りにいる
優秀な人をあげて伝えていくわけですが、

すでにそれらの人たちは、
事前に面接済み!という世界。

すごいですね。

でも、そこで、適任者は誰?
に答えなかった人は不合格。

答えなかったのか。
答えられなかったのか。

ひとつの質問で、
優秀な人物を見極めることができる
という典型事例をここで知りました。

 

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