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BOOK REVIEW書評

『医薬品クライシス』佐藤健太郎著  vol.64

こんにちは、

本日の一冊は、

『医薬品クライシス』佐藤健太郎著です。

 

『医薬品クライシス』佐藤健太郎著

 

78兆円市場の激震です。

 

 

世の中のマーケティング本に
刺激を感じられなくなってきた方におすすめです。

ビジネスを考えるうえで当たり前ですが、
まずは市場規模がどれくらいあるのか
把握しておかなければなりません。

国内7兆円、全世界では78兆円規模の
医薬品業界がいま揺れに揺れています。

詳細は本書に譲りますが、
元医薬品メーカーの研究員であった著者が
渾身の思いで世に送り出したと思われる一冊。

99.9%以上が失敗に終わってしまう現場の話です。

 

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『医薬品クライシス』(佐藤健太郎著/新潮社)

<Amazonで購入>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4106103486/withup-22/ref=nosim

製薬会社は軒並み総売上の約20%という
巨額を新薬開発に投じており、世界最大手・ファイザーの
研究開発費は年間9000億円近くにも上る。

新薬を出すのは恐ろしく難しいが、
一発当てれば大逆転-という、
極めてギャンブル性の高い世界なのだ。

タンパク質は英語では「プロテイン」で、
ギリシャ語の「最も大切なもの」という単語に由来する。

ブロックバスター(年商10億ドルを超える薬をこう呼ぶ)

大ヒットとなった医薬は、たいてい何らかの形で
偶然や幸運に恵まれたエピソードを持つ。

人間というものは、実態の感じられない数字を見るより、
具体的な実例を見る方が心が動くようにできている。

医薬品の価格は形のある錠剤や粉末にではなく、
その背後にある「情報」に対して付けられているものだといえる。
この情報を得るために一剤当たり数百億円の開発費を
投資しているわけで、単純にボロ儲けをしているわけでは決してない。

医薬の価格も、メーカーには決定権がない。
自社製品の価格を自分で決められない製造業というのは、
医薬品業界くらいのものだろう。

医薬品メーカーにとっての最大の恐怖は、
自社製品の特許切れだ。

現在、世界の製薬企業は莫大な利益を稼ぎ出している。
が、その利益をもたらしている大型医薬のほとんどは
90年代に開発されたもので、その後継品は生まれていない。

エーザイでは総売上の6割以上を占める2剤が、
それぞれ2010年、2013年に特許切れとなる。

そもそも医薬研究は、
99.9%以上が失敗に終わる運命にある。

実力あるリーダー不在でなんとなく新製品が出てしまう、
といったことはあり得ない。

参照:
『医薬品クライシス』(佐藤健太郎著/新潮社)

<Amazonで購入>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4106103486/withup-22/ref=nosim
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というわけで、

 

●「共感・意外性・感動」の法則を解き明かす!
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「特許切れ」より恐ろしい、モチベーション切れ。

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なんだか深く考えさせられました。

どの研究者も世の中のためになる医薬を作り出そうと
崇高な使命をもって開発に挑んでいるわけです。

なのに、信じられない数字ですが
99.9%以上が失敗に終わる研究現場。

私だったらそんな現場に耐えられるだろうか
と本当に考えこんでしまいました。

0.1%の光を信じて進まなければならない。
いつまでも過去の資産で食ってはいけないわけです。

余談になりますがマイケル・ポーター氏の
『競争の戦略』を読んだ方であれば、
http://bit.ly/axZC2T
氏の提唱する「5フォース分析」が
頭の中に鮮明に描かれるはずです。

 

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