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BOOK REVIEW書評

『こんなに使える経済学―肥満から出世まで―』大竹文雄著 vol.33

こんにちは、

本日の一冊は、
『こんなに使える経済学―肥満から出世まで―』大竹文雄著

です。

 

『こんなに使える経済学―肥満から出世まで―』大竹文雄著

 

 

演算は50万回以上だそうです。

 

 

「地理的プロファイリング」というものを
はじめて知りました。

例えば、連続犯の犯罪心理を読み解き、
その居住地域を「数学」で割りだす。

天才数学者のキム・ロスモが開発した
ソフトは全世界の警察で使われているそうで、
彼自身もまた警察官だとか。

時間的、空間的にさまざまな角度から統計を駆使し、
その演算は最低50万回以上!

犯行現場が居住地域より遠くなるほど、
残虐性が増す傾向にあるそうです。

(もちろん、初期仮説には人間の頭が必要です)

現在、私自身、仕事やプロジェクトにおいて
ヒストグラム、散布図、相関図などを作成したり、
意思決定のための定量分析を行うことが増えてきたため、
興味をひかれたのだと思います。

なんでもそうだと思いますが、センスを磨くには、
「これは、スゴい!」
と思うものをひたすら「見る」ことです。

そういった意味でも、私は精度の良いグラフを
見るようにしています。必要であれば
もちろん切り抜き保存です。

以前、データのゴミについての話
http://www.shirayu.com/letter/2009/20090424.html
をしましたが、質問票、母数、仮説は何かなど
ほんとに、大事!

都合よく作られたグラフが山のように
存在しますからね。

という意味でも、
『こんなに使える経済学―肥満から出世まで―』
の図表やグラフはとても勉強になります。
アイデア想起に役立つ本。

●卒業年次ごとの中央官庁での出世率
●生まれ月と最終学歴
●自治体Aの落札率分布
●犯罪発生率が10%上昇した場合の地下下落の影響

など。

非常に、エキサイティングです。

 

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『こんなに使える経済学―肥満から出世まで―』(大竹文雄/筑摩書房)

<Amazonで購入>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4480064001/withup-22/ref=nosim 

人々が最も豊かになれるように、無駄が生じないような
システムをどのようにして作るかということこそ、
経済学の役割だ。

たとえば、
教師が生徒に勉強をさせるときや成績のつけ方も、
勉強してもしていなくても同じ成績をつけるのか、
それとも一発勝負の試験で成績をつけるのか、
もしくは何回も試験をやって成績をつけるのか、
というのは制度設計だ。

腎臓そのものを取引するというより、
腎臓を「贈与する意思」
を再配分するための仕組みといえる。

容姿の情報がないのは、容姿が良くないことよりも
大きな損失を生むのだ。

東京23区内の住宅地を例に、犯罪発生率と地価に
同時に影響する可能性のある要因を排除したうえで、
純粋に犯罪発生率が地価に及ぼす影響を分析した。

(略)分析の結果、窃盗犯罪の発生率が10%上昇すると、
住宅地の価格は1.7%下落することが分かった。

つまり、日本の家計貯蓄率は60~80年代半ばに
15%を超えていただけで、日本人は必ずしも
貯蓄好きとはいえない。

データからは、アウトサイダー2社のうち1社がやがて
この市場から撤退し、もう1社が談合組織に取り込まれた
らしいことまで読み取れる。

つまり不況とは、節約の意味をはき違えた本末転倒が
引き起こす一種の人災なのである。

経済学で責められるのは、むしろ嘘をつくことのできる
「状況」を作ったほうである。

参照:
『こんなに使える経済学―肥満から出世まで―』(大竹文雄/筑摩書房)

<Amazonで購入>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4480064001/withup-22/ref=nosim
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というわけで、

 

●「共感・意外性・感動」の法則を解き明かす!
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不況は人災。

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私は法則性を見つけ出すのが
とても好きなタイプです。

あらゆる情報の中から、
これってもしかしたら?を探し出す。

そして先日、クライアントの方々の
法則性を再確認しました。

それは危機感。

クライアントの方々の特性を20個くらいは
すぐにあげられますが、共通する点は
やはり「危機感」というキーワードです。

このままではいけないという思いですね。
業界を変えていかなければという
壮大なものまで含まれます。

私はやはり戦っている人が、好きなんですね。
そういう経営者の方を応援する。
それが私の役割だと思っています。

危機感のない人から、
問題意識なんて生まれません。

私自身も過去の軍事に学びながら(城郭講座のこと)、
問題意識を形に表せるよう、定量分析はじめ
もろもろの精度をあげていきたいと思います。

 

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