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BOOK REVIEW書評

『「社会調査」のウソ リサーチ・リテラシーのすすめ』谷岡一郎著 vol.24

こんにちは、

本日の一冊は、
『「社会調査」のウソ リサーチ・リテラシーのすすめ』谷岡一郎著です。

 

『「社会調査」のウソ リサーチ・リテラシーのすすめ』谷岡一郎著

 

 

 

GIGO(ガイゴ)が合言葉になりそうです。

 

 

なんとも勢いのいい本でした。

痛快!
心拍数が上がります。

社会調査論、ギャンブル社会学が専門の
谷岡一郎氏は見事に言いきっています。

この国の社会調査の過半数は、
「ゴミ」だと。

「集めたデータがゴミならば、それをどんなに立派に分析したところで、
出てくる結論はゴミでしかありえない」(p23)

社会調査方法論の世界でいう、
GIGO(ガイゴ)です。

(Garbage In Garbage Outの頭文字)

かつて大ベストセラーとなった書籍も
著者によってぶった斬られています。
(たしかに問題の書ではありましたが)

コンサルタントや評論家が、
そもそも前提の怪しい調査結果を鵜呑みにして
レポートなどを書こうものなら致命的です!

 

数字や権威に弱い方は、
ぜひ一読しておいていただきたいと思います。

目が覚めるパワーのある本です。

 

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『「社会調査」のウソ リサーチ・リテラシーのすすめ』(谷岡一郎著)
<Amazonで購入>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4166601105/withup-22/ref=nosim/  

一定の結果が出るよう誘導された調査は調査とは呼べず、
ただの腐臭を放つゴミでしかない。

◎何を目的とする調査か(主催者は誰か。仮説は何か)。
◎サンプル総数と有効回答数は何人か。どう抽出したか。
◎導き出された推論は妥当なものか。

質問票の工夫(という名のごまかし)

「キャリーオーバー効果」と呼ばれているものがある。
回答者はその前のいくつかの問題に答えるうちに
ある種の先入観を学習し、その結果として
ターゲットである最後の質問に影響を与えるものである。

「百歳まで生きられるほど元気な人だったからこそ、
高齢で出産できたのではないか」
つまり、見出しが示唆する因果関係は、
実は逆ではないかという疑問である

むしろ今後、必要となるのは、あふれるデータの中から
真に必要なものをかぎ分ける能力、いわゆる
「セレンディピティ(serendipity)」と呼ばれる能力であろう。

データや社会調査の情報はだいたい三つに分類される。
役に立つ有益なものと、目下のところ役に立たないが
将来的に必要となりそうなもの、
そして「ゴミ」の三つである。

この「ゴミ」をすぐに捨てることのできる人は、
そうでない人より、
かなり有利なポジションを占めることになるだろう。

参照: 『「社会調査」のウソ リサーチ・リテラシーのすすめ』(谷岡一郎著)

<Amazonで購入>
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4166601105/withup-22/ref=nosim/   
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というわけで、

 

●「共感・意外性・感動」の法則を解き明かす!
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データにも「ゴミ」の分別が必要な時代。

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これはひとことで言うと、思考力を鍛える本です。

お勉強のための「思考力」ではなく、
社会にコミットする「思考力」です。

奥付を見たら23刷でした。
やはりよく読まれているようですね。

リサーチ・リテラシーについても丁寧に書かれてあり、
思考力のなんたるかが学べる
大変刺激的な本でした。

 

 

 

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